25.徒花 ページ28
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「協力してくれるって言ってくれたが、俺はどうすればいいんだ？」
数日後、Aに会いに来た亜簾は少し先に来た朝霧と話をしていた。Aとのことである。
「若旦那、わっちの水揚げの相手をしてくんなまし」
「…は」
そんな話は聞いてない。出来るはずもない。
「もちろん、ただのフリでござんす」
朝霧は柔らかな微笑を浮かべると、わっちはそないな酷いことさせません、安心しなんしと亜簾の気持ちを汲み取ってか、そう続けて返す。
「…そうか」
「はい。ええですか、若旦那。
若旦那にはこれから＿＿＿＿＿」
「久しぶり、亜簾様」
「…久しぶりだ、な。華永野」
Aは前回会った時から何ら変わった様子はないが、いつも持ち合わせている煙管はなく、今日は亜簾がAに渡した簪は使っていない。扇子を扇いでいた。見たことがなかったが、それはそれで優美に見えた。
「…」
今日は朝霧はいなかった。Aと亜簾は二人きりで、どちらも話し掛けようとせず、亜簾は入口の近くでしばらく突っ立っていた。だが、Aはぱちん、と扇子を閉じるとため息を吐くと口を開いた。
「そんなとこに立ってないでこっちに来たらいいだろ」
「ああ、そうだな…」
まだAとの距離は少しだが、亜簾はAの近くに腰を下ろした。そして、また気まずい空気が2人を苦しませたが、Aは亜簾の袖を掴んだ。
「亜簾様、アンタはそんなに俺との接吻が嫌だったのかい」
Aの言葉に亜簾は思わず、顔を上げAの方へと顔を向けた。亜簾は自分の目を疑った。
Aは今にも涙が溢れそうで、だが悲しそうな顔ではなく怒っているのか悔しいのか恨まれているのか色々な感情が混ざったようなそんな顔だった。
「朝霧から聞いた、水揚げの相手になったんだろう。なら俺に構ってないで、朝霧のとこに行けばいいだろ！」
「…違う、それは嘘だ。
俺は…、聞いてくれ…華永野」
「何が嘘なん……、おいっ！」
なんだが、自分の視界も揺らぎ始めた。涙が出そうな訳では無い、頭がグラグラとして痛かった。思わず、亜簾はAの身体を掴むとそのまま倒れ込んでしまい意識を失った。
Aは突然倒れてきた亜簾に返事を求めるが、一切の反応は無く、ただ耳元で荒い呼吸をしながら薄く汗を滲ませる亜簾の顔があった。
「亜簾…っ様…？」
Aは亜簾の額に手を当てると、笑い出した。
「くくっ風邪か。こっちが馬鹿馬鹿しくなる」
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Ria。(プロフ) - 初めて見たのですが、、ッ好きすぎます。尊すぎます。こんな尊い小説があってもよろしいのでしょうか。ええ、もちろんあってよろしいです。この素晴らしい小説に出会えて良かったです！！ (2022年4月29日 18時) (
レス) @page46 id: 6d33a476b4 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - 藤雲ルアリナさん» あああ！お喜ばれる小説を書けていたようでとても嬉しいです！やる気でますね……頑張りますね！ (2020年4月8日 15時) (レス) id: fe109e5f3f (このIDを非表示/違反報告)
藤雲ルアリナ - 世界観、空気、文体、ストーリー、もう何もかも好みです！毎回更新楽しみにしてます！ (2020年4月8日 0時) (レス) id: 3165ea2c89 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - 氷浦メグさん» ひえぇっありがとうございます泣 これからも暇潰しにでも覗きに来てください… (2020年3月13日 17時) (レス) id: 54569fedb3 (このIDを非表示/違反報告)
氷浦メグ(プロフ) - 初見です。尊いですありがとうございます！ (2020年3月13日 13時) (レス) id: 3357bae399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛之助
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oh19years/
作成日時：2019年2月16日 22時
