縮まらないのなら埋めれば良い/zm ページ38
・死亡描写注意
初めて殺した人間は、おれの初恋だった。
彼女の腹にナイフを刺したあの感触は、今でも覚えている。皮肉なことに、彼女を殺した瞬間におれは彼女に恋をした。
あの時、彼女があげた断末魔は今でも耳から離れない。
あの時、彼女が流した血も、涙も、全て覚えている。
彼女の今際の際の苦しそうな声を思い出す度に、得も言われぬ興奮がおれを包み込むのだ。
殺したきっかけはなんてことない。お金が無かったから、適当に入った店で強盗を働いた時に彼女を刺した。
その時に、おれは初恋を捧げた。
最初はネクロフィリアにでも目覚めたのかと思った。だからたくさん殺した。おかげで、ちょっとした騒ぎになるくらいには有名になってしまった。なんだったか、確かジャックザリッパーと名付けられた。
でも人を殺せば殺すほど、彼女への愛が強くなる。彼女以外の悲鳴や断末魔は姦しいだけで、なにも魅力を感じない。他の死体どころか、生きた人間にすら興味を持てなかった。
人を殺す度に後悔し、絶望する。なぜ彼女を殺してしまったのかと。土の下にいる彼女とは、もうどう足掻いても距離は縮まらない。それでも、彼女と一緒にいたかった。
無い知恵を絞って導きだした答えは杜撰だった。
「……ごめんなあ」
彼女の墓の前に立つ。やっと見つけ出した彼女の墓。
きっとおれのことを怨んでいるんだろう。いっそ怨霊にでも何にでもなって、おれの前に現れてくれれば良いのに。
墓に刻まれた彼女の名前を読み上げる。
「Aって言うんやな」
やっと、きみの名前が呼べる。こんな幸せなことはない。きっと今のおれは人に見せられるような表情をしていないだろう。
シャベルで土を掘り起こすと、Aの姿が見えてくる。Aの横に穴を広げた。
「おれ、ほんとに幸せや」
今なら死んでも良い。
「まあ、今から死ぬんやけどな」
Aの隣に寝そべり、懐から小瓶を取り出し口に含む。
「ほんまはな、Aと同じ死に方がええんやけど、一人じゃ難しいから毒で死ぬことにしたんや」
「あとな、おれ、ぞむっていうんや。よろしくな」
「おやすみ。A」
そう囁いて、目を閉じる。
朝が来る頃には、Aと同じ場所にいられるだろう。
ーーーーー
こういうのダメな人はすみません。でも私が好きなんで書きました。
ごめんねzmさん。殺人鬼=zmさんってところあってすぐこういう役にしちゃう。
用意した具材はもやしだけのはずだ/kn→←墓参りすら出来ない/shp
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スイ(プロフ) - 脳内お花畑さん» スイさんは神ですよ←お花畑さんですね！りょーかいしました！ (2019年7月6日 3時) (
レス) id: fc5840509f (このIDを非表示/違反報告)
脳内お花畑(プロフ) - スイさん» スイさん！！いつもいつもありがとうございます！もしかしてスイさんは神ですか？それとお花畑で良いですよ！ (2019年7月6日 2時) (レス) id: 999cc5b25a (このIDを非表示/違反報告)
スイ(プロフ) - 脳内お花畑さんの作品他の見よーおもたらすでにお気に入り作品にしてて草← (2019年7月6日 2時) (レス) id: fc5840509f (このIDを非表示/違反報告)
かよ(プロフ) - かこつです！リクエスト答えていただきありがとうございます (2019年7月2日 15時) (レス) id: 33b10db5e5 (このIDを非表示/違反報告)
脳内お花畑(プロフ) - ベリーさん» なるほど！察しが悪くてすみません…！私も昔見てましたよ、かわいいですよね〜。多分主はNo.6ちゃんのようなことはしないと思いますけど…。萌え禿げたのならエミさんのお話を見ましょう！そうしましょう！ (2019年6月30日 0時) (レス) id: 999cc5b25a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：脳内お花畑
| 作成日時：2019年5月31日 19時
