用意した具材はもやしだけのはずだ/kn ページ39
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「私が用意したのって、もやしだけだよね」
「せやな」
なら何故こんな料理とはいえないような代物が出てくるのだ。ダークマターまではいかずとも、普通の人間が口に出来るものなのか。
思わず頭をかかえる。
「何をどうしたら、こんなことになるの……」
「そもそも俺料理出来へんし」
「でもこれは無いわ……」
見た目だけ見たら吐瀉物。味もどうせ吐瀉物。
きっとこれを完食できるのは、ハッピーな舌を持っているエミさんだけだ。いやハッピータンのエミさんでも怪しい。
「あんた自分で味見した？」
「してへん」
料理出来ないやつに限って味見しないの何なの？ しろよ。
「まあ、食ってみいや。うまいで」
「毒味してから言えや」
「何が毒味やねん。しばくぞ」
私はお前をどつきたい。
恐る恐る目の前の物体を口に入れる。
「……」
「どうや」
「まずい」
「あ！ 言ったなお前！！」
食感からしてまず受け付けない。なにこのぐにゅりとした食感。無味でもキツいぞ。
「あんたも食べてみなさいよ！」
「うぶっ」
強引にシッマに物体Xを詰め込む。
一度咀嚼した時点でシッマの顔色が変わる。
「……まずい」
「言ったでしょ」
もはや才能の域に入っているぞ、この不味さ。
「やっぱ料理はAやな」
「は？ なに急に」
「なあA、俺と結婚してくれや」
「は！？」
思わず身を乗り出して聞き返す。
「いやだから、俺と結婚……」
「話が跳躍しすぎ！」
「前々から言おうと思っててん」
「あんたからしたらプロセスを踏んでても、私は今初めて聞いたの！」
「細かいこと気にすんなや」
細かいことじゃねえよ！
軽くあしらうようにシッマは聞き流す。
挙げ句、ふらりと立ち上がったと思えば、棚を漁り始める。
戻ってきたかと思えば手に何か持っており、私に差し出してくる。
「ん」
「え？」
「指輪」
「いやいつの間に」
「指のサイズは合っとるはずやから」
嵌めてみる。ぴったりだ。
「んじゃ、明日は役所行こうな」
「うん……？」
結局勢いに飲まれて、私たちはめでたく夫婦となった。
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スイ(プロフ) - 脳内お花畑さん» スイさんは神ですよ←お花畑さんですね！りょーかいしました！ (2019年7月6日 3時) (
レス) id: fc5840509f (このIDを非表示/違反報告)
脳内お花畑(プロフ) - スイさん» スイさん！！いつもいつもありがとうございます！もしかしてスイさんは神ですか？それとお花畑で良いですよ！ (2019年7月6日 2時) (レス) id: 999cc5b25a (このIDを非表示/違反報告)
スイ(プロフ) - 脳内お花畑さんの作品他の見よーおもたらすでにお気に入り作品にしてて草← (2019年7月6日 2時) (レス) id: fc5840509f (このIDを非表示/違反報告)
かよ(プロフ) - かこつです！リクエスト答えていただきありがとうございます (2019年7月2日 15時) (レス) id: 33b10db5e5 (このIDを非表示/違反報告)
脳内お花畑(プロフ) - ベリーさん» なるほど！察しが悪くてすみません…！私も昔見てましたよ、かわいいですよね〜。多分主はNo.6ちゃんのようなことはしないと思いますけど…。萌え禿げたのならエミさんのお話を見ましょう！そうしましょう！ (2019年6月30日 0時) (レス) id: 999cc5b25a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：脳内お花畑
| 作成日時：2019年5月31日 19時
