綺麗/em ページ34
・最後のリクです。
「すきです」
あの時、そう告げた私に応えてくれたのはエミさんだった。
付き合ってから数ヶ月経つが、エミさんは本当に優しい。
部屋が寒ければ温度を調整してくれるし、美味しい紅茶も提供してくれる。
私が悪さをしても怒らずに注意だけ。甘々すぎて逆にこわい。うそ、大好き。
博識で色んなことを知っていて、よく聞かせてくれる。
それに常日頃から褒めてくれる。口癖のように綺麗だと言ってくれる。
容姿を褒められて悪い気はしない。むしろいい気分になる。
ときたま、アクセサリーや服をプレゼントしてくれて、身につければとっても喜んでくれる。
「本当に、Aさんは綺麗やな」
「えへへ……」
今もこうやって私をべたべたに褒めてくれる。
とろりとした目で私を見つめてくるエミさん。
恥ずかしくなって、手にしていた本を捲る。
そのとき、誤って指を切ってしまう。
「あっ……」
「だ、大丈夫ですか！？ あちゃあ、血出とるな……」
我が身のように心配してくれるエミさんは本当に優しい。
消毒液と絆創膏を探しているのか、わたわたしている。
「ほら、手出して」
「ありがとう、エミさん」
「ええねん。でもAさんに怪我なんてしてほしくないから、ホンマに気を付けてな」
「大したことじゃないのに」
エミさんは心配性だなあ。
ふと、小さな疑問が出来る。
「ねえ、エミさんはさ、私のことどれくらい綺麗だと思ってるの？」
脈略がない質問だが、気になってしまったものは仕方ない。
いつも綺麗だと言ってくれるエミさんの中で、私はどのように写っているか気になっただけだ。決してエミさんがお世辞を言ってるだとかは疑っていない。
「せやなあ……お人形さんかと思うくらいには綺麗だと思ってます」
「人形？」
「ええ」
随分と可愛らしい表現でどこか拍子抜けする。
エミさんを見ると、こてりと首を傾ける。
私を見る目は、いつもと変わらない。
でも、いつもと違う。
今の今まで気づかなかった。
まるで愛玩具を見るかのような眼。
それこそ、人形や剥製に向けるような眼。
「……エミさん」
「何ですか？」
「私のこと、どれくらい好き？」
不安になってしまった。
あり得ないのは解っている。
あり得るはずがない。エミさんが、私のことを人形としてしか見ていないなんて。
「それはもちろん、お人形にしたいくらいに」
私の中で、何かが崩れた。
残ったのは、虚しさだけ。
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スイ(プロフ) - 脳内お花畑さん» スイさんは神ですよ←お花畑さんですね！りょーかいしました！ (2019年7月6日 3時) (
レス) id: fc5840509f (このIDを非表示/違反報告)
脳内お花畑(プロフ) - スイさん» スイさん！！いつもいつもありがとうございます！もしかしてスイさんは神ですか？それとお花畑で良いですよ！ (2019年7月6日 2時) (レス) id: 999cc5b25a (このIDを非表示/違反報告)
スイ(プロフ) - 脳内お花畑さんの作品他の見よーおもたらすでにお気に入り作品にしてて草← (2019年7月6日 2時) (レス) id: fc5840509f (このIDを非表示/違反報告)
かよ(プロフ) - かこつです！リクエスト答えていただきありがとうございます (2019年7月2日 15時) (レス) id: 33b10db5e5 (このIDを非表示/違反報告)
脳内お花畑(プロフ) - ベリーさん» なるほど！察しが悪くてすみません…！私も昔見てましたよ、かわいいですよね〜。多分主はNo.6ちゃんのようなことはしないと思いますけど…。萌え禿げたのならエミさんのお話を見ましょう！そうしましょう！ (2019年6月30日 0時) (レス) id: 999cc5b25a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：脳内お花畑
| 作成日時：2019年5月31日 19時
