2話 ページ3
「あ、あれナナミじゃない？」
「ほんとだ！！ナナミーーーー！！！！！」
広場に着いたはいいけど、やっぱ一学年分の人数がいることもあってすぐには見れないな…と思っていたところ、元気でよく通る声に名前を呼ばれた。
「海妹！鏑木も！」
振り向くとそこには一年生の頃同じクラスでよく一緒にいた海妹四葉と鏑木ろこがいた。
「おはよ二人とも。新しいクラス見れた？」
「ぜーんぜん。これから見るところ！」
「また三人同じだといいね〜」
他愛もない会話に緊張気味だった身体が落ち付いてくる。
友達って大事やな…と身に染みている。
「てかナナミの場合、生徒会役員も気になるじゃんね！」
かと思ったらぶっ刺してきた海妹。
「う、そうなんよね…胃が痛くなってきたわ。」
「いけるいける！お前がすんごい努力してたのは鏑木ずっと見てきたからね！」
「うみせもー！！」
「ふたりとも…(感動)」
「まぁ選ばれなかったらあのパイプ制度に頼らず私らと一緒に地道にいくしかないな(笑)」
「とりあえずうみせが笑ってあげるわ〜」
「おい。」
せっかく感動したのに、私の感動を返してほしい。
そんな冗談を交えながら会話をしていると、段々と人が捌けはじめ、張り出されている紙が見えるようになっていた。
あぁ〜どうしよう見たいような見たくないような…。
「いよいよじゃん！！覚悟決めていくかナナミ！！」
「ｱｧ〜〜〜!!!……行くかぁ！！！」
「大丈夫だって！うみせたちがついてんじゃ〜ん！！」
二人の腕を片腕ずつ抱きしめながら、少なくなってきている人だかりへ向かった。
恐る恐る進む。ゆっくりだけど一歩一歩着実に掲示板へと進んでいる。
あぁ〜〜なんか世界がスローモーションに見えるんじゃ〜〜泣
緊張している私をほぐすためか、二人が「ビビってて草」などと煽ってくる。
せっかくほぐそうとしてくれているところ申し訳ないけど、それどころじゃない。
私の人生はこの制度を掴み取るか否かで変わってくるのだ。
周りの友達、ましては誰にも言っていない秘密によって。
私は何としてでもこの制度を掴み取らなければならない。
私の将来のために！！！！！
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作者名：のこさん | 作成日時：2024年1月5日 0時
