Will you Marry me? (ページ45)

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母「この子は女の子ですから、生まれた時に、「この子はいつかこの家を出て行く。その時に苦労しなくて済むようにしてやろう」と夫と話して育てました。

十分に手を掛けて構ってやれた訳ではありませんが、

親の私から見ても、娘はどこに出してもは恥ずかしくないと思っています。

娘をよろしくお願いします」

初めて見る母の涙だった

お父さんが亡くなった時も、誰の前でも決して涙を見せることなく、1人っきりでお父さんに寄り添って泣いていた。

「ありがとうございます。

2人で幸せになれるようにします」

和くんはしっかりとお母さんに返してくれて、同じように泣いてるわたしの背中をゆっくり撫でてくれる

雅行「お母さんが急に言い出すから、反対するのかと思った」

隆行「僕も思いました」

お兄ちゃん2人が小さな声でコソっと話してた

雅行くんの「夕ご飯食べて行きなよ」という一言で、リビングに移動して食事の準備をする

リビングに和くんを残して、キッチンに行くと、先に愛ちゃんがいて準備してくれてた

目が合うと「上手くいった？」と小さな声で聞いてくれて、満面の笑みで返すと「良かったー」と抱きしめてくれる。

愛「思ったより長かったから、途中で心配になっちゃったよ」

『うん、でも大丈夫だったよ』

愛「良かったね」

『ありがとう』

愛「Aちゃん、幸せそう」

『うん、幸せ』

出来上がった料理をテーブルに運んでお兄ちゃん達に声をかける

七緒八「ほら！あー！」

「ホントだ、すごいね」

何見てるんだろう？と2人が見ているテレビを同じようにチラっと見てみると、お父さんが演じてる歌舞伎のビデオだった

『お父さん？』

雅行「七緒八のお気に入りなんだよ」

『へぇ』

雅行「ビデオ見て、歌舞伎の型覚えてるから。お父さんとそっくり」

『血筋だね』

3歳児が歌舞伎のビデオ見て面白いと思うのかなっていう疑問はあるけど、七緒八は楽しそうにキャっキャとテレビの中のお父さんと同じように振る舞っている

『ごはんできたよ』

七緒八「ごはん？」

『うん』

七緒八「にの、ごはんですよー」

まるで和くんのせいでご飯に気付かなかった！みたいに七緒八が和くんの手を引っ張る

「ほんとだ、食べよう！」

子どもが苦手なのに、頑張って相手してくれて気使わせちゃったな

「俺、どこ座ればいい？」

『わたしの隣、左端でいい？』

「うん、ありがと」