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「この水っていつ買ったの？」
『う〜ん、たぶん今朝。もしかしたら昨日の朝』
「おい！たぶんって何だよ！俺もう飲んじゃったよ！」
『大丈夫だよ、今朝買ったやつだと思うから、たぶん』
「これで俺の体調悪くなったらAのせいだからな」
『大丈夫だよ！大丈夫、大丈夫』
「根拠のない大丈夫ほど大丈夫じゃないものは無いんですよ、Aさん」
『・・・・ごめんね？』
「遅いわ！！」
初めてニノとAを会わせた飲み会はけっこう人がいる会だった。逆に俺含めて3人で会うと自然な出会いじゃなくなって恋愛に発展しないかもなという不安が俺の中にあった。
だから、あえて大勢の中で2人を会わせた。
飲み始めてしばらくしたら俺からAをニノに紹介しようと思ってたのに、俺よりもニノの方が行動を起こすのが早かった。
俺がそろそろ良いかと思ってニノを探すと、ちょうどニノがAのテーブルにいて「マジックみる？」と話し掛けていた。
ニノのマジックを見るAが楽しそうだったから、そのままにして俺は友達と飲み続けた。
それから数か月して何となく2人がくっ付くかくっ付かないかぐらいの【両片想い】でいつ付き合うのか？と思ってたけど、2人が付き合い出したのは出会ってから4年後だった。
付き合うまでの4年、正直な話 ニノは彼女がいた事もあったけど俺からすれば心はAにあるようにみえていた。
一方のAは仕事が楽しいみたいで、ドラマや映画にひっきりなしに出演していた。
撮影での疲れが溜まると食欲より睡眠欲が勝って、食べなくなるAに何とか食べさせようと食事に連れ出すのは、いつの間にか俺ではなくニノの役目になっていた
周りから見れば「もう付き合ってるよね？」と思うけど、ニノは「付き合ってない」とはっきり俺に言っていた。
お互い好き同士なのに何で付き合わねえのか俺には理解できなかったけど、後に俺はその理由をニノから直接教えてもらう事になった。
2人が入籍する前日に何ですぐ付き合わなかったのかを尋ねると、ニノは口角をキュっと上げたあの独特の笑みをみせて言った。
「出会ってすぐに付き合っても、事務所に別れさせられるのは分かってからね。
だから、別れろって言わせないぐらいになろうって仕事したんですよ」
4年の間に 互いに仕事で評価と、互いに釣り合うだけの人気を確立したってことだ
さすが策士 二宮和也だと思った瞬間だった
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作者名：water lily
| 作成日時：2018年5月6日 22時
