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ERでの急患対応をしたからか、ナースステーションでは大半のスタッフが疲れ切っていた


藤原師長「みんな今日はご苦労様、よくやってくれました」



師長から労いの言葉をもらったけど、

本当に欲しいのは言葉ではなく休みだ



Ns「そう思うんなら、臨時休暇をくれ」

『ふふっ、本当ですね。目に見える休みが欲しい』


師長の姿が見えなくなった途端、本音が口から漏れてしまう




高階「この書類をカルテに挟みたいんですが」


『誰の同意書ですか?』


高階「渡海春江さんの、カエサルでのオペの同意書です

カエサルでこのオペが成功すれば、実用化に向けて大きく前に進む事ができます」


『そうですね…挟んでおきます』

高階「お願いします」



高階先生から受け取った書類はカエサルによる治験手術を受けるという内容で、

『オペの同意書…』


でも、リオぺは征司郎の訴訟発言で止まってるって世良先生言ってたよね、

じゃあこの同意書はなに?


まさか、あの時


みんながERに応援に向かってる時、高階先生は反対方向へ歩いて行った

あの方向にあるのは心臓外科の一般病棟だけ


『…あの騒動の中で取ったんだ』


医者って本当に信じられない行動を取る事がある

迷惑を掛けない医者なんていない、あの高階先生だって、こんな行動を取るんだから



春江さんの病室に向かって歩いていると、聞き慣れた足音が前から聞こえてきた



うわっ…びっくりするぐらい怖い顔してるんですけど



『…お疲れ様です』

「高階がカエサルでのオペの同意書を取った」

『さっきナースステーションで受け取りました』


最近の出来事で、こういうハイテクな機械をあまり信用できないでいる


鳴り物入りで来たダーウィンだって、物はスゴイんだろうけど、外科医の腕が追いついてなくて患者が死にかけた

スナイプだって、何事もなく成功するまでに何人も殺しかけてる


結局は、器械じゃなくて、扱う外科医の腕が高くないと意味が無い


本当に危険な状態になった時、最後に頼りになるのは己の腕だけなのだから



このカエサルも、今までの経験則では・・・失敗する可能性が高い

術中に何かあっても家族である征司郎は何も出来ない



「あんなオモチャに命を預けるなんて、どうかしてる」

『…何か考えがあったのかも』

「どんな?

一体どんな高尚な考えがあってあのオペに同意したのか説明してもらいたいぐらいだ」


『初めての治験で、他の人の助けになればって思ったのかも』

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作者名:water lily | 作成日時:2018年5月1日 0時

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