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「取るよ」

ついに小春ちゃんを命に危険にさらしていた中隔の感染巣を切除して取り出すことができた

・・・間に合ってよかった



『4-0です』

パシッ

「はい、縫ってくよ

吸えって!」

関川「はい」


「メッツェン」

パシッ

『はい』

「はい、じゃああとやっといて」


高階「渡海先生、ありがとうございました」

「このぐらい当然だよ、医者だからな」


言い残して征司郎は出て行ったけど、医者だからって全員が今と同じようなことをできるわけじゃない


【外科医の腕は乗り越えた修羅場の数で決まる】


あの松岡先生は…これで終わったな




関川「よし、終了」


閉胸まで含めても28分31秒、30分以内で終わった


『・・・お疲れさまでした』

関川「相変わらず・・・とんでもない腕だ」

垣谷「やっぱりあの人は悪魔のような腕を持ってる」





『何とか間に合ってよかったです』

無事に病室に戻ってきた小春ちゃんの寝顔を見ながら、高階先生は安堵のため息をつく

高階「本当に…助かりました」

『まさか高階先生がダーウィン使えるとは思いませんでした』

高階「臨床経験から言えば、松岡の方が上でしたが・・・」

『綿密な術前計画を立ててた?』

高階「お恥ずかしながら、私には渡海先生のような圧倒的な外科医の腕はありません。

だから、あらゆる可能性を想定して動くしかないんです」

『でも、その高階先生のおかげで小春ちゃんは助かったんだと思います』

高階「約束したので、病気が治ったら一緒にサッカーをやると」

『サッカー得意なんですか?』

高階「実は・・・学生の頃から球技とは上手くいった試しがないんですよ」

『ふふっ 練習頑張らないとですね、

今日はお疲れさまでした、お先に失礼します』




「帰りか?」

『もう今日は帰らないと

目閉じればすぐにでも寝れそうなぐらい疲れた』


どうせ征司郎は今日も仮眠室だろうと思って振り返ると、珍しく私服に着替えてた

『どこか出掛けるの?』

「お前相当疲れてるな、

俺も自分ちに帰んだよ」

『…ふふっ 珍しい事もあるもんだね』

「ごちゃごちゃ言ってると置いてくぞ」

追い越すようにスタスタ歩いてく征司郎を慌てて追いかけてその手を絡める

『もう何もしたくない』

「家に帰って寝るだけか」

『…今回は高階先生の粘り勝ちだね』

「うるせぇ、さっさと帰るぞ」




高階先生がプライドを捨ててでも守ろうとした命が助かって本当によかった



第5話 fin

届かぬ理想→←5



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作者名:water lily | 作成日時:2018年5月1日 0時

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