Will you Marry me? 4th season (ページ32)

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『いつもと一緒ってことは、パパ帰って来るの遅いんだねぇ』

和くんが出て行った後、お見送りのために抱き上げた一花に話しかける

一花が生まれてから明らかに独り言が多くなった気がする

でも、一応は一花に話しかけてるから独り言ではないのかな？

まだ一花からの返事が来ないだけで

『……できれば、今日は早く帰って来て欲しいなぁ』

「んっだぁ」

『そうだね、そんなの無理だよね』

記念日やお互いの誕生日にさえ、休んだりスケジュールを調整するなんて事は出来ないのだから、
今日なんて特に無理なのは分かりきっている

『バレンタインなんて関係ないもんね』

早く帰って来て欲しいなんて思っておきながら、わたしも1週間前まで全然気付いていなくって

最近よくチョコレートのCMが流れるなぁぐらいだったのに、それがバレンタインデーに繋がるのに数日かかったぐらいで

わたしがそうなんだから、そもそも’記念日’なんてイベントが考えにない和くんにとってはもっと身に覚えがなくて当たり前で

今日も誰かにチョコを貰ってようやく今日がバレンタインだと気付くのだろう

和くんが気にしないのだから、わたしも気付いてなかったふりをすれば良いんだろうけど

一花が生まれてから、いわゆる夫婦っぽいことをしてないから、

ほんのちょっとだけ不安になる

仕事現場に行けば、可愛いかったり綺麗な女の人に会って、仲良く会話してるんだろうなと思うと、

子どもを産んでから、ろくにメイクもしない、おしゃれもしない妻に愛想を尽かしたり、

一瞬でも、他の女の人に気が向くんじゃないかと思うと、焦りばかりが自分の中で募っていく

でも、まだ1人で座れもしない娘を連れて出かけるのは難しくて、

結局、当日になっても何も用意していない

『できれば、お昼から2時間ぐらい続けて寝てくれると助かるんだけどなぁ、一花ちゃん？』

2時間あれば簡単なチョコレートケーキぐらいなら作れると思う

けど、今までの連続睡眠の最長記録が1時間半ぐらいだから、2時間は今の一花には難しいかもしれない

他の女性からチョコレートを貰わないでとは言わないけど、

本命はわたしでしょっていう変な意地もあって

いつまでも和くんに恋をしてるんだと実感してしまう