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ぼ〜っと朝のニュース番組を見ていると、ラグに寝かされた一花と目が合う
何が楽しいのか、自分の指をしゃぶりながら良い笑顔を振り撒いている
「あなた朝からそんなに何が楽しいのよ？」
よだれでベトベトになってる一花の指を口から離すように手を持っていくと、急に顔が険しくなる
「ごめんごめん、はい」
さっきと同じように指を口に入れてやると満足したのかまた自分の指に夢中になり始めた
「いいねぇ、一花は。
泣いたらママがすぐに来てくれるし、
ちょっと笑えばママが喜んでくれるし、
ミルク飲むだけでママに褒めてもらえるんだもんな
パパはお前がほんとに羨ましいよ」
俺だってAに構って欲しいんだよ、大人だから口に出さないだけでさ
いや……もしかしたら態度には出てるかもしれないけど
『ふふっ
パパがいるからご機嫌だね、一花ちゃん』
「…そう？」
『パパがいて嬉しいって』
Aがイエーイと一花の右手を上に上げさせる
「そんなに喜んでないでしょ」
『喜んでるよ』
「Aは？
俺がいて嬉しい？」
『えー、わたし？』
「そうだよ、えーってなんだよ、嬉しくないってこと？」
『ふふっ もちろん嬉しいよ、パパ』
「…パパはやだ」
『今日はどうしたの？ いつもより甘えん坊じゃない？』
「いいじゃん、たまには
A、コーヒー欲しいんだけど」
『はぁい、いま入れてくるね』
「うん、ありがと」
Aが立ち上がってキッチンに向かうと、その後を目でじーっと追っていく一花
「ママはパパのコーヒー入れに行ったよ」
一花に説明してやると、話が分かっているのか、ちょっと顔が険しくなってる
『はい、どうぞ』
「ありがと」
マグカップを受け取るふりして、Aの手ごと握り込んで、そのままカップに口を付ける
『……なに？どうしたの？』
「いや、別に？」
『飲みににくない？』
「全然平気、美味しい」
できれば、もうちょっとAとこうやってイチャイチャしてたいけど、
今日もしっかり仕事が入ってるから、そろそろマネージャーが迎えに来る時間で
『今日、何時ぐらいになりそう？』
「今日？ いつもと同じぐらいなんじゃない？
なんで？ 何かあんの？今日」
『ううん、聞いてみただけ』
「そう？
行ってくるから、何かあったら電話して」
『うん、行ってらっしゃい』
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作者名：water lily
| 作成日時：2018年12月31日 15時
