Will you Marry me? 4th season (ページ12)

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・ページ12

「ちゃんと髪乾かしなよ？」

『うん、わかってる』

「なら、いいけど」

わたしがドライヤーのスイッチを入れたのを確認してから入れ違いで和くんがお風呂に向かう

『もう何も考えたくなくなってきちゃったな』

髪を手櫛で整えるとソファに背もたれに背中を預けてゆっくりと目を閉じる

自分の右手が温かくなる感覚で目が醒めた

目を閉じるだけと思っていたのに、いつの間にか眠ってしまったみたいで点けていたテレビの番組は夜のニュース番組に変わっていた

視線を感じて顔を右に向けると、背もたれに左肘をついて頭を支えている和くんと目が合った

右手が温かいのは和くんに握られているからだと気付いた

『寝てた？』

「ちょっとだけね

ねぇ、Aちゃん

俺に何か聞きたい事があるんじゃない？」

そう言った和くんの瞳は優し気に細められていて、握ったままの親指で手の甲をゆっくりと撫でられる

それがまるで「言うまで逃がさない」と言われているようで

『……何にもないよ』

「俺にそれは通用しないって分かってるでしょ」

じゃあ何て言えば良いの？

あなた浮気してるの？って聞けばいいの？

どうすればいいか分からなくて和くんから視線を下げてうつむく

「浮気してるのって俺に聞きたいんだろ？」

どうして頭の中が読めるんだろうとパッと和くんの顔を見る

「ほら、当たり」

『どうしてそう思うの？』

当たってるのに、疑っているのは認めたくなくて和くんの言葉に反抗してしまう

「Jにあんまり帰るの遅くなると浮気だと思われるぞって脅されたのと、帰って来てからこれを見つけたからかな」

繋いでいた手を離して和くんが背中から出して来たのは、昼間に買ったあの妊娠中の浮気についての記事が書かれた雑誌だった

『…っ…』

「このページにだけ印がつけてあったから、Aの頭の中で考えてる事に確信を持ったんだけど、当たり？はずれ？」

『…だってっ…』

「まあ俺も最近、帰って来るの遅かったし、疑われてもしょうがないな」

和くんはわたしの考えを的中させたくせに、その考えが当たっているのか外れているのかは教えてくれない

「A、

浮気の心配はしなくて大丈夫だから

言っただろ？

俺の心はAが持ってるんだよって」

その言葉を聞くと同時にどれだけ自分は愚かなんだろうと思い知って、和くんの愛の深さも思い出して、涙がぽろぽろと頬を伝っていく