元ブラック本丸の幼女【刀剣乱舞】

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山姥切と堀川は不安気な顔をする。
薬研の表情も暗く、先程までずっと診ていた審神者の様子を一つ一つ思い出しながら伝えていく。


薬研「大将は多分だが、俺っち達の行動と声に反応してる。行動、声、全てが何かと重なって見えてるんだろうな。

実際、旦那達と別れて離に着いてから、多少時間はかかったが落ち着いた。だが……」


口篭り言いにくそうな顔をする薬研を見て、ゾクリと堀川と山姥切は背筋を何かが伝うような感覚がし、そして嫌な予感がすると感じていた。


加州「……薬研、教えて。主が今どうしてるのか」

薬研「…自分の殻に閉じこもった。俺っち達が何を言っても反応は示さないし、ずっと耳を塞いで蹲ってる。

さっきも少し暴れたが、今は気絶するかのように眠ってる」


堀川「……出会った頃の、主さんと同じ…」


それ以上か、と堀川は小さく呟き山姥切も出会ったばかりの頃の審神者を思い出すと眉を寄せ、顔を歪めた。

するとこんのすけが突然、審神者のデータを全員に見えるように表示した。


堀川「こんのすけ？」

大和守「何してるの？」

こん「…主様について、疑問に思ってたのです。何故、あそこまで大人を苦手とし拒むのかと」

山姥「それは、あの女や」

こん「はい、わたくしも初めはそう思っていました」


こんのすけは山姥切を遮りそう言うと、審神者のデータの中から、詳細をズームして見せ、そして何も書かれない空白の期間があるところを分かるようにした。


こん「これは、審神者の生まれた年からどの様に生きてきたのかデータにしたものです。必ず、他の審神者達もこのようなデータがありますが……主様だけ、空白期間があるのです。」

堀川「それが、どうしたんですか？」

こん「本来なら、このような事はなりません。人間達が何を隠そうとしても、私達は過去に翔ぶ事が出来るため知る事ができます。

ですが、主様の過去にどれだけ翔んでもここだけ埋まらず、そして見る事も出来ないのです」


こんのすけが言った意味を理解した者は、目を見開いていた。

三日月は眉をひそめ、こんのすけを見る。


三日「…こうなる原因は、もう分かっているのだろう？」

こん「はい。有り得る原因として上げられるのは二つですが、今回有力として上げられるのは、人と時間遡行軍又は検非違使が関わったからだと思われます」


衝撃を受け、そして有り得ないと驚きを隠せないでいる刀剣達。

だが、こんのすけが嘘を言っている様には見えなかった。

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