元ブラック本丸の幼女【刀剣乱舞】

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こんのすけの指示により、審神者を離の部屋に運ぶ薬研達。

その審神者は、抱き上げ運ぶ薬研にしがみつく手に力を入れて震えていた。


乱「主さん……」

今剣「ぼくがっ…しっかりしていれば」

薬研「…今、大将に拒絶されなかったのは俺っち達だけだ。だから堀川の旦那達に代わって、大将の世話をやってやろう」

太鼓「そう…だなっ……俺達が、今の主を支えてやらないとなっ！」

厚「ああっ！」

五虎「ぼ、僕も頑張りますっ」


薬研は審神者を見て、暗い顔をしていた短刀達を元気づけると微笑む。

そして、薬研は審神者が小さな声で呟いた言葉を聞き眉を下げた。


『……助け、て……ほり、にぃ…まんば、にぃ』

薬研「……必ず、皆で助けるからな」



本殿では、三日月達を始めた事の事実を知る刀剣と審神者側の刀剣達がこんのすけを囲むようにして座る。

苛立ちを隠せていない堀川と、苛立ちを表には出さず我慢をする山姥切。
堀川は睨み付ける様に三日月を見ていた。


こん「まず、主様に見えているのは恐らくですが」

堀川「現世での父母を始め、主さんを虐げてた人間達ですね」

こん「はい、その通りです。でなければ、あれ程の拒絶はしなかったと思われます」

加州「……それで？石切丸、さっき言ってたのは何？納得のいく説明をしてよ」


加州は微笑みそう言うが、瞳は笑ってはいない。放たれる言葉も冷たく、いつもの優しさは全く感じられなかった。

加州だけでなく、離に住む刀剣達全員の瞳は冷めている。


石切「……まず、私達が仕掛けたのは少しだけ幻覚を見せる物だよ」

こん「呪符、ですね」

石切「あぁ。昨夜、あの子の服に仕掛けた。

簡単に審神者として迎え入れられないからね」


こん「先程、その呪符を回収しましたが……もう呪符の効果が発動してしまっています。それも、石切丸殿が仕掛けたものよりもさらに大きなものとなって。

元は、主様が記憶に隠したであろう本性を出す為に軽い幻覚を見せる物だった。

ですが、それは石切丸殿や三日月殿が考えていたモノよりも想像をはるかに超え、そしてその呪符の力をさらに大きくしてしまったのは主様自身の記憶である……間違えはございませんか？」

三日「…間違えはない。その通りだ」

山姥「そんな、くだらない事にっ……主を」

こん「山姥切殿、今はどうか堪えてください。これは、仕方のなかった事…なのですから」


山姥切達はこんのすけの言葉に眼を大きく見開き、理解が出来ずにいた。

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