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審神者は瞳に涙を溜めながら、本当に自分の母親なのかと見上げる。

母親はギョロッと音がするのではないかと思うくらい大きく開いた眼で審神者を見ると、口の端を釣り上げニヤニヤとしながら言った。


母「お前の道具は助けになんて来ないわ。折れたもの」

『…え』


泣くのを我慢をしていた審神者は、母親から告げられた「折れた」という言葉に反応し、抵抗していた筈の身体には力が入っていなかった。

審神者が「嘘だ」と言おうとすると、髪を掴みあげた母親はグイッと顔を近ずける。


母「嘘じゃない、現実よ。アレを見なさい」


審神者は首を半分無理やり後ろに向けられ顔を歪めたが、ある一箇所を見て固まる。
そこには、ボロボロになった姿の自身の初期刀がいた。

これは悪い夢だと、信じるなと何度も考えるが心のどこかでは本当なのではないかと思い始める。


『……ほり、に…まん…ばにい……』

母「お前が、“折った”」


耳元で呟かれ、審神者はビクリと肩を揺らす。そして先程までとは違う身体の震え。

いくら嘘なんじゃないかと思っても、目の前の光景が嘘だとは思えなかった。


そして、聞きたくもない初期刀の声が響く。


「まずい……僕がいなくなったら…」

「あぁ……嫌だな…」


『いやあぁぁぁぁああっ!!』


初めて声を上げ、そして悲痛な叫び声を上げる審神者は「いやだ、やだ」とブツブツと言いながら、次々に聞こえてくる破壊された彼等の言葉に耳を塞ぐ。

それでも、彼等の言葉は塞ぐ手など意味など無く、するりと耳から脳へと届く。

首を横に降ろうが、耳を強く塞ごうが、母親の高笑いと共に聞こえてきては審神者の精神をズタズタにしてくる。

審神者はここが夢なのか現実なのかもわからなくなり、昔から思ってはいたが言わなかった事を口にする。


『もう……生きたく、ない…』


その言葉を聞いた母親は嬉しそうに目を輝かせ、そしてするりと首に両手をおいた。


母「そんなに望むなら、叶えてあげる。母親だもの、我が子の願いは叶えてあげなきゃ」


そしてゆっくりと手に力を入れていった。

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夢小説大好き - 泣きました。画面の前では大号泣です…ズビッ 小さな審神者ちゃんよ‟か‟っ‟た‟ねぇ‟!!素敵な作品ですね!更新頑張ってください!! (2021年11月22日 18時) (レス) @page32 id: 92d4b2d08c (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 続編、待ってます! (2021年11月11日 6時) (レス) @page32 id: 28b6274f8d (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - とても面白かったです!続きを待ってます!(*´ω`*) (2021年10月2日 1時) (レス) @page32 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください (2021年9月2日 2時) (レス) id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
?シアン?(プロフ) - 蘭奈(らな)さん» いつもコメントありがとうございます! ほんとに更新のペースが遅くなったりなどして、迷惑をかけてしまいますが、どうかこれからも温かい目で見守っていただけたら幸いです!ほんとにありがとうございます、そしてこれからもよろしくお願い致します! (2021年8月23日 21時) (レス) id: fbca4b02d3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:塩こんぶ | 作成日時:2021年8月18日 23時

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