神様のための狂想曲 extra edition (ページ1)

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mono・chrome スカーレットの運命ページ1

「あんたなんて産むんじゃなかった」

……それが、私が産まれてすぐ言われたセリフだった。
普通の家族なら、産まれたばかりの赤ん坊には「可愛いね」だとか「早く大きくなってね」などの暖かい優しい言葉をかけるであろう。
だが、私が産まれたスカーレット家は、そんな生暖かい優しさなど持ち合わせてはいなかった。
「……まあ、この名門スカーレット家に産まれたからには、ちゃんとしてもらうからね【カレン・スカーレット】として」

「……だぁ」

まだ、何もできぬ赤ん坊だった私は、何か恐怖的なものを悟ったらしく、返事のような声をあげた。

Mono・chrome スカーレットの運命

そして、あれから数年が経った今。
私は中学二年生の14歳となり、私の唯一の姉様が通っていたとされる奇跡中に通っていた。
でも、やっぱりここの裏番として生活していた姉様の噂は本人が卒業していない今でも絶えない。
『ねえ、奇跡中の元裏番って知ってる？』
「……っ」
『あ、知ってる。確か、ヘスティ』

バァンッッ！！！

「……ぁ」
姉の醜態が口々にされて思わず自分の机を思い切り叩いてしまった。
今更蚊がいたからというのは通じない。今の季節は春。いるわけがない。
すると、何かに勘づいたのか、一人の少女が一言言った。
「あ、もしかしてカレンちゃん、変な虫がいたから友達んとこ行かないように潰したんでしょ？さっきからブンブンいってたしね」
そう言い、ニヤリとカレンに笑みを見せる少女。
その言葉に、カレンに尊敬の眼差しを向け出す人々。
『え、本当！？ありがとカレンちゃん！！！』
『やば笑カレンちゃんめっさ優しい惚れる笑』
何とか自分の姉の醜態を晒すことを防いだカレンは、ため息をつく。
だが、その後カレンが少女に呼ばれることとなった。

「ねえ、カレンちゃん」

『……なに？』