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第16話 ページ19

目が覚めたAは、身体に溜まっていた疲れがないことを確認する。ぐっすり寝て、むしろ身体が軽いくらいだった。自室で朝食を作って、身支度を整えて制服を着た後、寮にある共有スペースに向かった。共有スペースには既に伏黒がいた。

「恵、おはよう」
「A、疲れはとれたか?」
「まぁね」

軽く挨拶をした後、2人は退院した釘崎と合流するために、伏黒が指定した集合場所に向かった。
集合場所にある階段に座って待っていたら、釘崎がやってきた。

「何よアンタら、宿儺と()ったって聞いたけど、ピンピンじゃない」
「まぁ、硝子さんに治してもらったから」
「釘崎はもう平気なんだな」
「アンタたちが助けてくれたからこれぐらいで済んだのよ……ありがとう」
「どういたしまして」

釘崎の顔にも伏黒同様ガーゼが貼られているが、重症にはならなかったようだ。釘崎もA達と同じように階段に座った後、膝に肘を置きながらいつもの調子で聞き始めた。

「で、私が病院に送られた後…何があったのよ」

釘崎が伊地知に病院に送られた後、Aと伏黒が宿儺と対峙したこと、Aが宿儺に気絶させられたこと、伏黒の目の前で心臓を欠いたままの状態で虎杖が戻り、死んだことを話した。そして、虎杖の最期の言葉についても。

「“長生きしろよ”ね。自分が死んでりゃ世話ないわよ…アンタら、仲間が死ぬのは初めて?」
同級生(タメ)は初めてだ」
「私も」

自分より年上の五条家の術師が任務で死んだことはあるが、家の関係者でもない同い年(タメ)が死ぬのは確かに初めてだったなとAは思った。

「ふーん…その割には平気そうね」
「お前もな」
「当然でしょ、会って2週間やそこらよ。そんな男が死んで泣き喚く程、チョロい女じゃないのよ」

そう吐き捨てた釘崎をAはチラリと見た。すると、彼女は唇を噛み締めていたので彼女にもやはり思うところはあるのだろうと察し、何も言わなかった。
今頃虎杖の遺体は、家入によって解剖されている。彼の遺体は貴重なサンプルとして重宝されることになるだろう。

「暑いな」
「梅雨明けたからな」
「…そうね。夏服はまだかしら」

夏らしい熱い空気が身体を纏う。3人の空気の中に蝉の鳴き声だけが響く。重々しい雰囲気だけが漂い続ける。普段から積極的に話して会話を広げるのは虎杖だった。1人欠いただけで、こんなにも変わるのかとAは思った。

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設定タグ:呪術廻戦 , 原作沿い , 五条悟   
作品ジャンル:アニメ
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ヨッシー(プロフ) - 内水 眞衣香さん» コメントありがとうございます!五条先生凄かったですね!アニメではまた違う美しさがありました!呪霊側との接触も上手く書けるように頑張ります! (2020年11月15日 11時) (レス) id: 27a5e91788 (このIDを非表示/違反報告)
内水 眞衣香 - 五条先生は目隠しを外したら、雪のように白くて素敵だと思いました。真人も登場して、これからの活躍が楽しみです!^_^ (2020年11月15日 11時) (レス) id: 57a8ad7f5a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヨッシー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/zyoui1/  
作成日時:2020年11月7日 20時

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