４０. ページ40
・
「あ、あの、荒垣くん？」
問いかけてみても、
ギュッ
「っ、」
更に強く抱きしめられるだけで。
「…好きだ、A。
俺ならAを悲しませたり、泣かせたりなんてしない。」
ますます頭はこんがらがるばかりで。
私の動きが止まると、ゆっくりと私を離した。
「え、っと、」
荒垣くんの少し紅くなった頰が、さっきのことが現実だってことを証明している。
「……Aがさっき話してた男が好きってことはわかってる。
…けど、今はそれでもいいから。
…俺と、付き合ってくれませんか、」
・
・
「おかえりーA、ごめんねー、雨降っちゃってたわねー」
「ただいま…」
『…傘ないんだろ？送ってく。』
そう言って無言で送ってくれた。
…帰り際、言われた。
『…俺、本気だから。
考えといて。』
返事をしないうちに、身を翻してきた道を進んでいった荒垣くん。
…帰り道、逆だったのにわざわざ送ってくれたんだ。
ガチャ
部屋のドアを開けて、制服のままにも関わらず、ボフンとベッドに突っ伏した。
…なんであんなにいい人が私なんかを…？
ギュッと包まれた感覚がまだ残っている。
…二日連続で男の人にハグされたなんて……
「…一体何が起きてるんだ…」
………荒垣くんは、まだ芹澤さんを好きでもいいから…って言ってたけど。
それは荒垣くんを利用する、みたいになっちゃうからそれは申し訳ない。
………ありがたいけど、お断りしなきゃ。
でないと、荒垣くんを傷つけてしまう
…そう、決めて、眠りについた。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 169人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
那星月佳(プロフ) - みなさん» はい、必ず見ますね！楽しみです！ (2019年3月18日 21時) (
レス) id: 25acefb684 (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - 那星月佳さん» ありがとうございます！続編も見て頂けると嬉しいです！ (2019年3月18日 20時) (レス) id: 160134a9e7 (このIDを非表示/違反報告)
那星月佳(プロフ) - 受験お疲れ様でした。続編へも続くのはとても嬉しいです。今後も応援してます。 (2019年3月18日 19時) (レス) id: 25acefb684 (このIDを非表示/違反報告)
ミナ @メイン(プロフ) - まぃりぃさん» そうなんですか！お互い頑張りましょうね！ (2018年8月24日 12時) (レス) id: dbbaa59aee (このIDを非表示/違反報告)
まぃりぃ - お知らせ見ました！実は私もなんです…。頑張ってください！！応援してます♪ (2018年8月23日 23時) (レス) id: 6b8bf83b3b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミナ x他1人 | 作成日時：2018年4月5日 15時
