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「いよいよ高校生最初のテストがあります。みなさん、心して勉学に励むように。」
ガラッ
「はぁ…」
担任が教室から出ると、教室中にため息が出た。
「マジか…」
「駿、嫌そうだなw」
「テストが嫌じゃない奴なんていないだろ。」
「確かにw」
前から声をかけてきたのは、テニス部で同じの野口玄。勉強ができる優等生だ。全く羨ましい限りだ。
「Aー」
思わず振り向いてしまう。
「勉強教えて!」
Aに頼んでいるのは、尾崎葵衣。Aとよく一緒にいる奴だ。こいつも吹奏楽部で、クラリネットを吹いているらしい。頭はそんなに良くなくて、どっちかというと体育会系っぽい気もする。
「えー、しょうがないなぁw」
Aが困ったような、でも嬉しそうな笑顔で返した。…好きだなぁ。
でも、その直後、尾崎が衝撃の一言。
「あ、そうだ。原本君も一緒に勉強しよ!」
ガタン
「おい、大丈夫か駿w」
いつの間にこっちに来ていたのか、タクミが俺を見て笑いをこらえていた。…いや、こらえようとしていたけどこらえきれていなかった。
椅子から落ちてしまった。…Aもこっち見てるし。最悪だ。
「でさ、どう?」
俺は原本に念を送った。
…でも、原本はクールだから断るだろ。
そう思った俺がバカだった。
「別にいいけど。」
ガタン
「お前、最高…www」
…本日二回目、椅子から落ちた。勉強会のことでも、椅子から落ちたことにも落ち込んでいた。
「はぁ、しょうがねぇなぁ」
タクミがボソッと呟いた。何がだよ、と聞こうと顔を上げたけど、安達はいなかった。
「ねえねえ、」
なんと、その現場に行ったんだ。そして、
「勉強するならさ、駿も入れてやってくれない?」
「はぁ!?」
思わず大声を出した。そしてタクミは俺に向かってキザなウインクをやってきやがった。
「いやー俺は別に諦めてるからいいんだけどさー、駿君は真面目だからさー」
こいつ…絶対面白がってる…
「マジで!?いいよ全然!むしろ来てください!A、いいよね!?」
葵衣がAに詰め寄り、Aは
「え、あ、いいよ。」
と戸惑っている様子で答えた。
…こうして次の土曜日、図書館で勉強会をすることになった。
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あや - ミナさんの小説とても面白くて大好きです!本当にありがとうございました!これからも読ませていただきます! (2020年5月29日 11時) (レス) id: c76ac59f23 (このIDを非表示/違反報告)
ミナ - 同じ名前の方が作者さんだったのでなんとなく読んでたらすごいキュンキュンしました、ニヤニヤ止まらない (2019年4月2日 3時) (レス) id: 290d7994a1 (このIDを非表示/違反報告)
ミナ(プロフ) - 緩芳さん» やっとテストが終わって‥‥更新できます!多分(笑) 両立できるように頑張ります! (2018年5月27日 20時) (レス) id: bbafda29f4 (このIDを非表示/違反報告)
緩芳 - テストお疲れ様です!大変ですよね。よく分かります。これからも、勉強と更新頑張って下さい!! (2018年5月27日 12時) (レス) id: c0887ec13b (このIDを非表示/違反報告)
ミナ(プロフ) - まぃりぃさん» ありがとうございます!(^▽^)/ これからも頑張ります! (2018年4月30日 11時) (レス) id: bbafda29f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミナ x他1人 | 作成日時:2018年3月8日 21時