第一話 切っ掛け ページ3
今日もいつも通り仕事を終わらせる。
いや、少し早いかもしれない。サイドテールにしている髪を整えながら辺りを見渡す。
美「おっ、Aちゃんお仕事一段落ついた感じー?」
『あ、まぁ……。今日の分は終わりました』
美「うちの同僚より優秀じゃない? 早く昇進しそうな新人だ〜…!」
「ちょっと美桜、それひどくない〜?」
軽いテンポで交わされる先輩方の会話で、頬を緩ませる。
厳しい方々だな、なんて感じたけれど、実際はそうではなくて。
佐倉先輩なんかはよく面倒を見てくれて、一緒に何処か出掛けたりするまで仲良くなれて。
なんやかんや、アットホームな職場かもしれない。
「あっそうだ、良かったら夜桜ちゃんも一緒に来ない?」
『え…? どこにですか……?』
佐「あー、なんだっけ。花魁だっけ……?」
『嗚呼………、話には聞いたことがあります』
花魁。この単語だけ聞いたら色々考えてしまいそうだが、実際は話を聞いてくれたりする、らしい。
基本的に男性が相手をするので、女性の方々の利用が多いのだとか。
ホストとかとは違うらしいが、生憎どっちも利用したことがないのでよく分からない。
「私がよく頼んでる人にさー、良かったら同期とか連れて来てよって。時間空いてたらで良いんだけど」
佐「私には強制したのに、Aちゃんには優しいな君」
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作者名:饗李 | 作成日時:2020年2月13日 22時