残酷�� ページ41
きんと空気の冷えた朝。
Aは義勇と二人、雪山を任務地へと急いでいた。
指定された場所はまだ遠い。
早く、早くと気が急いた。
『あ・・・』
任務地が、『音』のわかる範囲に入った。
速度は緩めないまま、Aは義勇にそう伝える。
『義勇君、家の中に数名。たぶんもう・・・。』
「そうか。」
それでも二人は走り続けた。
まだ、近くに鬼が残っているかも知れない。
『！？』
「どうした。」
Aを見て、義勇が尋ねた。
『二人いる。一人は鬼・・・かな。襲われているのかも。』
「そうか。」
義勇は頷く。
二人は二手に分かれた。
Aはまず、数名の『音』が残る家へ向かう。
かすかに残った『音』を聞き分けて辺りを探索するも、鬼は近くにはもういないようだ。
義勇の方に向かおうとするA。
義勇が怒鳴る声が聞こえ、足を止めた。
ふわりと木の上に跳び上がり、気づかれないように近づいた。
「奪うか奪われるかの時に！主導権を握れない弱者が！妹を治す？仇を見つける？笑止千万！！」
(義勇君・・・)
義勇がこんなにも感情を露わにすることは珍しい。
それも、こんなにも、痛々しい『音』で。
義勇に怒鳴られていた少年が動き出した。
(ん？あれは・・・)
木の陰に隠れる瞬間、少年が斧を投げた。
(ふーむ。)
水柱たる義勇には、当然通じない攻撃。
しかし、よく考えられていた。
戦いなど考えたこともない少年に見えるのだが。
『義勇君。』
少年と、その妹らしい鬼の少女を気絶させた義勇のもとに、Aは着地した。
「Aか。」
見ていたのか、とこちらを向かないままに訊ねる義勇。
『よく考えられていた。』
少年の攻撃ではないことはわかっている。
しかしそう答えると、手伝うよ、と鬼の少女の口枷を作る義勇の手助けをした。
『この子、生かすことにするの？』
「・・・ああ。」
いいんじゃないかな。
何か聞きたそうにする義勇に、Aは言った。
『私、鬼にみんなみたいな恨みがないからさ。私が判断するんじゃあ不安だけど。』
うん。義勇君が良いと思うなら、それで良いと思う。
信じるよ。
じっと目を見てそう言うと、義勇はふっと目を逸らした。
「そ・・・そうか。」
きっと鬼殺隊は変わっていく。
ただの勘だが、Aはそう思った。
Aは中心などではない。
それでも、手助けくらい出来るだろう。
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ひかる(プロフ) - 明日香さん» ありがとうございます！今書いている義勇さんの小説の方を完結させてからになりそうですが、この作品もちゃんと完結させる予定なので今後ともよろしくお願いします！ (3月19日 23時) (
レス) @page41 id: 463449c621 (このIDを非表示/違反報告)
明日香(プロフ) - 面白いです。先が気になります。時透兄弟好きです。 (3月19日 22時) (レス) id: 0b98448e7e (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - 廣岡唯さん» しのぶさん私も愛してます。 (2023年4月6日 17時) (レス) id: 463449c621 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - ぴさん» わあ、ありがとうございます！そう言ってもらえたので、更新します！ (2023年4月6日 17時) (レス) @page11 id: 463449c621 (このIDを非表示/違反報告)
廣岡唯 - 面白い続きが観たい…しのぶさん愛しているぞ (2022年11月3日 11時) (レス) @page10 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひかる | 作成日時：2022年6月25日 16時
