蝶屋敷�� ページ42
「送っていこう。」
ではそろそろ、と腰を上げかけた頃、義勇がそう言った。
ほとんど話していなかった義勇が口を開いたことには驚いたが、それなら、と甘えさせてもらう。
『それじゃあお言葉に甘えて。お願いしよっかな。』
「義勇、嫉妬してるの？」
真菰がからかうようにそう言った。
義勇は少し目を泳がせていたが、どうしてなのだろう。
確かに、今日はほとんど錆兎と真菰が喋っていた。
Aは聞いているだけで楽しかったのだが、義勇からすれば残念なことだったのかもしれない。
『ごめんね。あんまり話せなくて。』
Aがそう言うと、義勇が驚いたような顔をする。
よくわからない。
そう首を傾げつつ、星屋敷への道のりを歩いた。
星屋敷の前で、中に入ろうとする真菰とAを義勇が呼び止めた。
「また来てくれないか。・・・今度は、一緒に稽古もしたい。」
『もちろん！』
もごもごと付け加える義勇に、Aは満面の笑みで答えた。
『私も数年ぶりに、義勇君たちと稽古したいよ。』
「ありがとう。」
照れくさそうに微笑んで、義勇は水屋敷へと戻っていった。
『真菰ちゃん、そっちよろしく！』
「了解です！師範！」
縦横無尽に動き回る二体の鬼を、真菰とAが二手にわかれて追いかける。
真菰も成長し、十二鬼月に近い鬼も単独で首を斬れるようになっていた。
「水の呼吸 弐の型・改 横水車」
『日の舞 漆の型 斜陽転身』
ほぼ同時に、二体の鬼の頸が落ちた。
カチャリ
と、光る刀を鞘に収める。
消えていった鬼に手を合わせて、Aは真菰のところに戻った。
『お疲れ様。よく頑張ったね。』
「師匠もお疲れ様です。」
どちらからともなく、人の気配が集まる方へ向かう。
そこでは、隠たちが負傷した隊士の応急処置を行っている筈だった。
『お疲れ様です。双子の鬼は討伐しました。』
Aが声を掛けると、静かに動いていた隠たちの間から溜息が漏れる。
「ありがとうございます。星柱様。真菰様。」
リーダー格の隠の言葉を聞きながら、Aの目は別のところを見ていた。
少し離れたところに、指示を出して動いているしのぶがいる。
『どういたしまして。当然のことをしたまでです。』
手早く隠に会釈をして、Aはしのぶの持ち場に向かった。
『しのぶちゃん、久しぶり！』
最後の一人に処置を施したしのぶは、Aの声を聞いて振り向いた。
「Aさん！」
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ひかる(プロフ) - ちーさん» ありがとうございます！励みになります。 (2022年6月2日 18時) (
レス) id: 97f5eb0e61 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - ooooさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2022年6月2日 18時) (レス) @page36 id: 97f5eb0e61 (このIDを非表示/違反報告)
oooo - え！！最高すぎます！！これからも頑張ってください！！ (2022年5月29日 10時) (レス) id: 79b285b7ae (このIDを非表示/違反報告)
ちー - ヤバすぎマジで好き！続きまってます！ (2022年5月23日 23時) (レス) @page20 id: 260906d624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひかる | 作成日時：2022年5月15日 10時
