胡蝶しのぶ�� ページ14
ガラガラと玄関の扉が開く。
髪の先の方が紫色になっている、小さい女の子が姿を現した。
あの日、ちらりと見たしのぶだ、とAは確信する。
「姉さん、お帰りなさい。ありがとう・・・」
そこまで言って、しのぶは思い切り目を見開いた。
Aの存在に気付いたらしい。
パクパクを口を動かして、声にならない声をあげる。
「は、柱！？」
あわあわと手を動かし、家の中に入ろうとする。
「どうぞ、上がってください。たいしたことも出来ませんが・・・」
「落ち着いて、しのぶ。Aさんよ。前に話したでしょう？」
驚くしのぶとは対照的なカナエが、のほほんと声を掛ける。
この機を逃さず、とAは自己紹介をした。
『星柱の香月Aです。Aでいいよ。しのぶちゃんのことは聞いてる。負傷した隊士の治療も受け持ってくれてるんだよね。ありがとう。』
続いて、真菰が口を開く。
「しのぶちゃんったら、私もいるよ？ひどいなぁ」
「いやいや、どう考えても目に入らないでしょ。この状況で・・・」
しのぶの狼狽ぶりに、カナエがクスクスと笑い出す。
続いて真菰も笑い出し、三人でしのぶをからかうような形になった。
「姉さん！真菰ちゃんも！お願いだから、柱の方を連絡なしに連れてくるのはやめてちょうだい。」
「まあまあ、細かいこと言わずに。姉さんはしのぶの笑った顔が好きだなぁ！どうぞAさん、上がってください。」
「これ細かい！？」
どうやら、しのぶはのんびりした性格のカナエの突っ込み役であるらしい。
いいコンビだな、とAは思った。
「お邪魔します。」
姉妹が言い合いをしている横を、真菰が涼しい顔で家に上がり込んだ。
真菰に倣い、Aも上がらせてもらう。
『お邪魔します。』
慌てた様子を見せたが、しのぶはしっかりした子だ。
Aが家に上がろうとすると言い合いをやめ、Aに声を掛けてきた。
「こちらにどうぞ。大してお構いもできませんが、お茶を淹れます。」
質素な家だった。
二人とも、恐らく長期間の任務の際には藤の花の家紋の家に泊っているのだろう。
あくまで姉妹二人の拠点とするために借りた家。
そんな雰囲気がある。
Aは持っていた紙袋をしのぶに渡した。
『お土産です。良かったら、どうぞ。』
ほんわかと微笑むAに、しのぶが頬を染めた。
「みんなで一緒に食べましょう？ねーしのぶ。」
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ひかる(プロフ) - ちーさん» ありがとうございます！励みになります。 (2022年6月2日 18時) (
レス) id: 97f5eb0e61 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - ooooさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2022年6月2日 18時) (レス) @page36 id: 97f5eb0e61 (このIDを非表示/違反報告)
oooo - え！！最高すぎます！！これからも頑張ってください！！ (2022年5月29日 10時) (レス) id: 79b285b7ae (このIDを非表示/違反報告)
ちー - ヤバすぎマジで好き！続きまってます！ (2022年5月23日 23時) (レス) @page20 id: 260906d624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひかる | 作成日時：2022年5月15日 10時
