【ポケモンUSUM】Close to you【グラジオ】 (ページ22)

今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:24,577 hit

phase.21 ページ22

ここはどこだろうか。

　倦怠感に身を包まれ寝転がったまま、あたしは周りを見渡した。人工的な光に満たされ、まるで空がないかのように広がり続ける天井。どこか無機質なその場所に来た記憶が、あたしにはなかった。モンスターボールも鞄も近くにないことだけは、確認したが。

　起き上がるだけの気力も体力もない。たしか、ハウとリーリエを守らなければとネクロズマと対峙して、それから……
　どこかに飛び込んだのだったか。反射だった。ネクロズマを追いかけねば、と。
　それじゃあ倦怠感はネクロズマとのバトルの後遺症か。そう思うが、追いかけたはずのネクロズマの姿はあたしの目には見えない。倒れ付したまま、仰向けで首だけを動かして、状況を少しでも探ろうと頭を働かせた。

　どれだけ、そうしていただろう。ほんの十数分かもしれないし、何日にも感じる。とにかく、体感では随分長い間、そこでそうしていた。
やがて、誰かの足音が……やってくる。

「……！お姉さん、」

「ねえさま！」

　あたしからも十分に見えた。リーリエとハウは、あたしを見ると嬉しそうな、悲しそうな顔をして駆け寄ってきた。

「……大丈夫ですか、ねえさま」

「……たぶん。ごめんね、ちょっと今、体が怠くて起きれなくて……」

「それは、だいじょーぶって言わないよー、お姉さん」

「そうですよぅ……」

　そう言いながら、リーリエがあたしを助け起こした。あたしは、リーリエひとりのちからでひょいと支えられた。

「……私たち、ねえさまと……ほしぐもちゃんを助けに来たんです」

「そうだよ。……もう、お姉さんのこと、ひどい目に合わせないから」

「…………たすけに、来たって……ここはどこ？」

「ウルトラメガ……メガ……なんだっけー……」

「ウルトラメガロポリスです。ネクロズマのいる世界……ウルトラ調査隊の方々が、この世界まで連れてきてくれたんです」

　ほしぐもちゃんと、ねえさまのために。か細い声でそう言うリーリエに、息をつきながら笑い返した。

「ありがと、リーリエ、ハウ……ここまでくるの、大変だったでしょ」

「大変だったけどー、面白かったー！お姉さんも、帰りは伝説のポケモンに乗せてもらうんだからねー！」

「楽しみにしてる。……それで、これから、どうするの」

　ハウは私たちに背を向けながらあるきだした。振り向きがてら言う。

「言ったでしょー。ほしぐもちゃん、助けに行くんだよー！」