【ポケモンUSUM】Close to you【グラジオ】 (ページ18)

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phase.17 ページ18

ハウの切羽詰まった声に、その場にいた全員が振り向いた。リーリエに代表、グズマさんまでもが。視線を受けて固まったあたしに、リーリエとハウが駆け寄ってくる。

「お姉さん、どうやってここにきたのー！？体は！？平気！？」

「うん、平気………、それより、なにが」

「姉さま！？もしかして、姉さまですか！？にいさまの話は、本当だったのですね……！」

　ハウよりも食いぎみで問うてくるのはリーリエ。ねえさま、なんて。

「久しぶり、リーリエ。姉さまって言われるのも久々だね」

「えっ、…お姉さんも、グラジオたちの家族なのー！？」

「違うよ。あたしは、赤の他人。ハウにはあとで話すから……これ、どうなってんの。………ソルガレオと、」

　なんだろうか、あの黒い物体は。尋常じゃない雰囲気に呑まれて空を見上げたあたしに、リーリエが顔をしかめた。ハウが、悔しそうに名を教えてくれる。

「……ネクロズマ、だよー。アローラのひかりを、奪いに来たんだって」

「ねえさま……。あの、ほしぐもちゃん、いえ、コスモッグが……ソルガレオになって、戦ってくれているんです。……だから、きっと大丈夫です」

　信じてるから、と小さく呟いたリーリエとハウの片手には、対となるのであろう笛が握られている。きっと、それを吹いて、この事態が起こったのだろう。彼らをせめることは出来ない。その伝承は、あたしもグラジオも知っている。……日輪の祭壇のソルガレオの話は。

　グラジオは、どこ。会ったの、と聞きたいけれど、誰もが圧倒されるその空気に言葉を発することが出来ない。あたし自身も、その戦いを見つめていた。こわい、おそろしい、そんな感情ばかりわいてくる。

　やがて、目の前に閃光が走った。誰もが声を出せなかったその空間に、ひめいがあがる。爆風に煽られて倒れたリーリエを、ハウが助け起こす。直後、目を開いたリーリエが叫び声をあげる。
　私達の目の前のその光景は、史上最悪のものだった。

「ほしぐもちゃん！！」

「リーリエ！！」

　ハウに支えられたまま、リーリエがソルガレオへと手を伸ばし、今にも走り出しそうな勢いで立ち上がった。ハウが引き留める。ネクロズマに押さえつけられたソルガレオが唸りをあげる。

まさか、アローラの伝説が、敗北、なんて、