【ポケモンUSUM】Close to you【グラジオ】 (ページ15)

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phase.14 ページ15

「ほんとうにありがとうございました…！」

　ふかぶかと頭を下げたあたしに、送ってくれたバックパッカーのひとが良いのよと言って手をふった。

「ほんとは私が最後までついてってあげたいんだけど……用事があるから。私はここでさよなら。Aちゃん、友達見つかるといいね」

「はい」

　簡単な挨拶を済ませると、そのバックパッカーの人は去っていった。リザードンにのせてもらうのなんて久々で、朝日を見ながら海を越えられた。送ってくれたお姉さんにつかまりながら綺麗、と呟いてしまったのは余談。

　気を引き締めていこう、エーテルハウスはすぐそこだし。もし職員とはちあわせても一般隊員はあたしの顔を知らないはずだから、危険はないはず。寄ってくるトレーナーをポケモンが居ないからとかわし続け、エーテルハウスにたどり着く。こんこん、とノックすれば、ひょこりと顔を出したのは少女だった。

「はーい！お嬢さん、アセロラになにか用事かなー？島巡りの子？」

「いえ、友達を探していて…」

「お、そうなんだ。アセロラで力になれるならいくらだって協力しちゃうぞ！」

　明るくそう言われ、緊張が緩む。

「ここに、グラジオってひとは来ませんでしたか？金髪の」

「グラジオくん？来たよー」

　探してるのはその子？と小さく首をかしげるアセロラに、こくりと頷く。今どこにいるか分かりますか、と震える声で聞いた。

「ハウくん、って子とリーリエちゃんって子と一緒にいたんだけど……リーリエちゃんからは連絡来てるよー。ポニ島の、日輪の祭壇に行くってー！そこにいるんじゃないかな？」

「ポニの、日輪の祭壇……。ありがとうございます、追いかけてみます」

「あっ、待って待って！その連絡が来たのが二日前だから……たぶん、もうたどり着いてるよ。だから、アセロラが日輪の祭壇まで送ってくねー！」

　地図を開いてにらめっこをはじめようとしたあたしに、アセロラさんが言う。驚いて目を見開いた。アローラという場所は、こんなにも暖かいのか。あたしの知らない世界に、驚くばかり。呆然としたままお礼を述べる。

「ありがとう、ございます」

「エーテルハウスを守ってくれたひとたちの友達だもん！助けなくって、どうするの！」

　三日四日は軽くかかると見ていた旅は、案外すぐに終わりそうだ。グラジオを見つけたら、何て言ってやろうか。帰ってくるの遅すぎ、……かな。