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「お名前は？」
『狼谷です、狼谷A……』
「やっぱり！衛輔からたくさん話聞いてるよ〜」
『え"！』
夜久「母さんマジで！余計なこと言わないでいーから！」
ニコニコしている夜久のお母さん、優しくて強そうで、でも夜久に似て小柄で……って、お母さんに夜久が似てるのか。
『あの、えっと……』
「狼谷…えっと、Aちゃんって、文化祭の時に写真撮ってくれなかった？」
携帯の写真を探して、その写真を見せてくれた。
「カップルコンテストに衛輔が出るなんて言うから私張り切っちゃって！
どんな可愛い子なのかと思ったらハンサムでビックリしたわ〜！あのときはありがとうね！」
そういえば、お写真いいですかなんて聞かれたような……
『は、はは…ありがとうございます……でも、あの、申し訳ないのでホントにこれで』
「Aちゃんさえ良ければなんだけど、晩御飯食べていかない？」
『……え、？！』
夜久「はァ！！？！？！マジで何なの！？」
家には男の子ばっかりで、女子高生と話しているなんて自分まで若返ったみたいで楽しいの！と嬉しそうにしていた。
『ホントに、皆さんがご迷惑でなければ……！』
流れに沿ってご飯を一緒に食べさせてもらって、断れないのが続いて明日部活もないからってお泊まりまでさせて貰うことになってしまう。何で。
『お風呂ありがとうございます』
「Aちゃん！勉強教えて！」
『う、うん…宿題かな？』
「そう！」
夜久「コラ、あんまり狼谷のこと困らせんなよ〜」
夜久の弟くんたちの勉強の面倒を見たり、バレーボールの話をしたり。弟くんはリベロじゃないので普段夜久とは分かり合えない話をしたり、とても楽しませてもらった。
「Aちゃん、ちょっといいかしら？」
『ハイ、なんですか？』
弟くんたちや夜久も自分の部屋にこもって、日付も変わるような時間。コップ一杯の紅茶と一緒にテーブルに促され、夜久のお母さんと対面した。
「こんなこと言うと困らせてしまうかもしれないけれど、Aちゃんは、衛輔がね、初めて連れてきてくれた女の子なの」
「Aちゃんのこと、良く聞いてたの。
1年生の時にね、バレー部じゃないのに凄く上手に処置してくれた子がいるんだ〜！って。その時の衛輔の嬉しそうな顔が忘れられなくて、どんな子なんだろうって思ってた。」
「名前も聞けるようになって、ついこの前Aちゃんが大学からまたバレーボールをやるって教えてくれたの。
私はまだAちゃんのこと何にも知らなかったのにね」
「衛輔ね、今までに見たこともないぐらい嬉しそうだったの」
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作者名：HAL | 作成日時：2024年3月16日 2時
