繋げ！③【ハイキュー】 (ページ50)

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「せ"ん"ぱ"い"こ"そ"つ"き"ょ"う"お"め"て"と"う"こ"さ"い"ま"す"」

灰羽「俺の方がさきに言ってた！！！」

わたしのことを応援してくれているという後輩、共通点なんてほとんどないのに卒業式には誰よりも涙を流して祝福してくれる。

可愛くてあたたかくて、心優しい後輩に囲まれて、幸せな時間を貰った。

「「「今までありがとうございました！！！！」」」

海「予定が合ったら顔出しに来るな」

『私はちょっと離れちゃうから、顔出すときは連絡するね』

夜久「俺も！」

黒尾「応援には行くから安心しなさいな」

嫌そうな顔をした研磨に、いつも通りだと笑って解散をした。

『夜久、一緒に帰ろ』

夜久「おう！」

『卒業だね、なんか実感無いや』

夜久「な。」

『寄り道して帰ろ！』

夜久「賛成！どこ行く？」

これが最後の2人で並んで歩く帰り道、気を抜くとすぐ泣いちゃいそうだ。そんなに涙腺が脆い方ではなかったはずなのだが、夜久のせいで泣き虫にまで成り下がってしまった。

夜久「ん、そうだ」

『ん？』

夜久「交換しようぜ」

ネクタイに手をかけてそんなことを言う夜久、あれでも……

『制服、下の子にあげるんじゃないの？』

夜久「あー、あれな。全然ウソ。
兄弟にやるって言っとけばさ、流石にみんな遠慮してくれるじゃん？
狼谷のがほしいし、狼谷にしかあげたくないから…的な？」

『あ、そう』

夜久「何か冷めてね？」

『いや……ぁ、ウチ来る？』

夜久「うん……え、は？」

『いやだから、家来ますか』

夜久「ン、なんか…待って、それって……マジ待って」

『ちょっとだけなら……うん、ちょっとだけね』

夜久「我慢しろってこと？」

『そうです』

夜久「分かった」

そうして私の部屋に上がった夜久、いつもより言葉数が少なくて、私も私で緊張する。

夜久「狼谷。」

『う、ん』

正座して、向かい合って、変な感じだ。

夜久「名前で呼んでもいい？」

『いーよ』

夜久「A」

『ハイ』

夜久「やっぱ、好き。マジで好き。」

目つぶって、そんな柔らかい声に身を委ねた。熱を持った手が頬に触れたのに肩を揺らし、それに驚く暇もないほどスグ唇に柔らかい感触

『ン……っ、』

夜久「ん、かみや……おれのこと好き？」

『すき、だよ……大好き』

夜久「だよな、俺も」

その日にここから先に進むことはなかったけれど、好きって気持ちをぶつけ合うように唇を重ね合った。