繋げ！③【ハイキュー】 (ページ46)

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黒尾「え〜、やっと戻ってきた」

『ん？』

「何か、元気になった？」

『失礼な……と言っても、沈んで元に戻ったのは本当か』

初めてのサボりを満喫して教室に戻れば、席の近い友人たちは笑って受け入れてくれる。

「もう、次の時間休みたいから適当に言っといてって連絡来た時焦ったんだからね！？」

『ありがとね、お礼はこれです』

「ふふ、優勝！」

彼女にお願いをするために貯めているコンビニでたまに売っているレアなお菓子。私はいつもこれを対価として差し出している。

夜久「狼谷どこいってたんだ？」

『サボり？』

夜久「マジかお前……」

『何その反応…』

夜久「具合悪いかと思ってめっちゃ心配したんだけど」

『ふ、ありがとね』

夜久「笑うな！！！」

あぁ、私いま普通に笑えてるかな。幸せだ、好きだな。

『そうだ、コーチんとこ行かないといけないんだった。先行ってるね』

夜久「ん？おー」

そうやって私はまた逃げた。

確かにコーチからは本当に呼ばれていたし、部活の開始時刻前に済ませたかったから少し急いでたのも本当だ。

なのになんで、逃げたくなったんだろうな

『……コーチって恋愛猛者だったりしますか？』

直井「……は？」

『ゴメンなさい、気にしないで欲しいです。あの、話って』

直井「あぁ、もし狼谷が嫌じゃなかったらでいいんだけど、ママさんチームとか9人制のコーチにツテがあるから使いたかったら声掛けてくれっていう話だ。機会は多いに越したことはないだろ」

『ありがとうございます！』

私のひとつの夢を、こんなにたくさんの人が応援してくれてて、力を貸そうとしてくれて。

なんか、それだけで十分なんじゃないだろうか。

「ナイッサー！！」

『リエーフ、出来るんだからブロックちゃんとコース絞って。取りづらい』

灰羽「すみません！！」

『芝山もうワンテンポ早く出れそう？』

芝山「はい、やってみます！」

復活記念みたいな感じで、サポーターがたくさん贈られた。こんなに使わないよ、なんて。そんなこと言ってられないぐらいにガムシャラだった。

『虎〜』

山本「すんません今雑になりましたッ！！！」

『分かってるなら良し！』

孤爪「相変わらず目敏い」

『ん？』

孤爪「何でもないです」

気付けば、相当私も感覚が戻って来ていた。

灰羽「研磨さんトス上げてください！！」

孤爪「ヤダ」

『リエーフ、こっちでやろ』

灰羽「え"！俺今日レシーブ練は…！」

『トス上げるから、やろ』

灰羽「はっ、はい！！！！！」