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「おつかれ！！！」
烏野はあのあと、鴎台にあと一歩のところで負けた。
3年4人で降りるか、なんて言ってみんなの顔を見に行った。
それぞれが、色んなことを言いたかったと思う。悔しさも辛さも嬉しさも、何かもう、色々な感想はあった。
『潔子ちゃん、おつかれさま』
清水「ありがとう。Aちゃんもお疲れさま！」
ニッと笑うレアな彼女の笑顔。それを見られただけでもう幸せだし、一気に疲れが吹っ飛ぶもんだ。
『じゃあ、またね。』
清水「うん、また！」
次に会えるとしたら、そう考えるのはやめた。
だって私たちは引退で進路がそれぞれにあって、バラバラの道に進むかもしれない。でも、いつかまた交わると思うから。
黒尾「じゃあ、帰んぞ」
「「「はい！！！」」」
私たちの春が、今日終わった。
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黒尾「なぁ、俺ら3年も最後だし記念に飯食って帰んねえ？」
夜久「いいな！」
海「そしたらどこ行こうか？狼谷何か食べたいものある？」
高校に荷物を置いて解散となったあと、珍しく3年だけで帰り道を歩いていた。
『……ラーメン』
黒尾「いいね、最高」
『ちゃんと大盛り安くなるとこにしようね。』
夜久「俺知ってる！！」
海「じゃあ夜久について行くってことで」
夜久のあとをついて、商店街にある中華料理屋さんにやってきた。ラーメン、チャーハン、餃子、甘味まで制覇しそうな勢いで大皿をいくつか頼みみんなでシェアをして食べた。
『あぁ、もうダメだガマンできない』
黒尾「出た泣き虫〜」
『泣き虫じゃないし！！！』
夜久「ほいティッシュ」
『ん』
海「ハハ」
ご飯を食べているときに限って、私は涙腺が脆くなるらしい。
そういう時にはやっぱり今日の最高の試合を思い出して、みんなのかっこよかったひとつひとつの洗練されたプレーを鮮明に思い出して、また涙で視界がぼやける。
夜久「狼谷って、意外と俺らのこと大好きだよな！」
『いいでしょ別に、みんな大好きだよ！』
黒尾「え〜デレた、珍し」
海「狼谷これ食べちゃわないと冷めるよ？」
『た、食べるよ！』
夜久「マイナス10歳？」
黒尾「確かに(笑)」
テーブル席の隣に座ってる夜久と正面の黒尾、夜久は横から小突いたし黒尾は下から足をぶつけてやった。
それすら、愛おしいものを見るような瞳を向けられて困惑しかけたのはまた別の話。絶対に教えてやらない私だけの秘密だ。
こんなかけがえのない時間はそう多くはやって来ない。また直ぐにいつも通りの授業が始まって、今度は卒業に向けて歩み出す
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作者名：HAL | 作成日時：2024年3月16日 2時
