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侑「盛り上がり方ヤバ」
治「そらそうや」
『うーん、私そろそろ戻っても…』
侑「嫌や！連絡先交換するまで離さん！」
治「ガキか」
侑「何とでも言えや！！！」
それから、携帯電話が席にあると説明をしているはずなんだけど中々離してもらえずに烏野の試合、第2セットが終了してしまった。
『あの、ホントに。今携帯持ってないから席の方行きたいんだけど……』
侑「そしたら、あの……これ俺の番号です。」
『……分かった、連絡するね！』
侑「ハイ！！！！」
治「騒がし」
さっきまでは完璧なコンビでノリツッコミを繰り返していたものの、侑くんが部員顔負けの返事をしたことでお開きになりそうだ。
侑「せや！！！俺のことは侑くんって呼んでください！！！」
『あ、ハイ』
侑「はぅあッ！！！」
『ごめん、あの…ホントにもう行くね』
治「迷惑かけてすんません、今のうちに行ってください」
不思議な双子、侑くんのほうがはしゃいでて幼いイメージで、治くんの方は少しお兄さん、みたいな感じだろうか。
夜久「遅え」
『うん、ごめんなさい』
ちょっと不機嫌だ、でもそんなになることないのに。
先ほど渡された侑くんの連絡先が書かれた紙は綺麗に折り畳んでポケットの中に突っ込んだ。見つかったら色々面倒なことになりそうだし、それは嫌だ。
さて、試合の展開はといえば13-13で壮絶なラリーが続いているところ。みんなの視界を遮らないように足早に夜久の隣に座って縮こまった。
夜久「どこまで行っても全員がスパイカーで囮、すげえよなぁ」
『でもすごいって言えばさ、翔陽のスタミナとバネだよね。』
夜久「確かにな、どっかで落ちなきゃいい…けど……」
夜久が言い終わるのが早かったかどうか、烏野がブレイクした歓喜の渦の中で、翔陽が倒れ込んだ。
『怪我？』
夜久「いや…怪我じゃない、と、思うけど」
様子を見るに、今の翔陽は立つことさえ難しそう。影山が何かを言ってから武田先生が翔陽の額に触れて、潔子ちゃんが救急箱から何かを取り出した。
『熱、か』
そしたら、あの運動量やその能力の高さはハイになってリミッターが外れていたからってことなのだろうか。
そうだとは、思わないんだけどな。
ガタ、翔陽が退場することになって研磨が静かに席を立った。
翔陽がいなくなってからも、時間は残酷に過ぎるし試合が止まることなんて当たり前に無い。
『見てんの辛』
夜久「無理に見なきゃいいだろ」
『でも、絶対見るって決めた』
夜久「何だそれ」
『みんながいるから、もう大丈夫なの』
昔を思い出しても、周りを見たらみんながいるから大丈夫
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作者名：HAL | 作成日時：2024年3月16日 2時
