繋げ！③【ハイキュー】 (ページ5)

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「そこまで、受験者は筆記用具を置いて下さい。
後ろから回収するのでこれ以降用紙に触った場合は不正行為とみなします。このあと実技試験もありますので、そちらについて今から説明を行います」

今日は受験当日、東京都の代表決定戦当日。

ドキドキとはやる胸を抑えながら第1志望の大学へとやってきたのだが、やっぱり緊張する。

私の志望学部は簡単にいうと体育学部で、筆記の試験とはまた別に体力試験のようなものがある。

体力試験とは言っても、最低限このレベルが出来たらいいですよってことだから、特に心配はしていない。

『(今頃みんなはアップしてる頃かな…)』

そんなことを考えては自分のことに集中しなさい、と頭の中の黒尾たちが釘を刺す。

自分に出来ることは全部やってきた、この大学に受かってまたバレーボールをする。アイツがまた私とバレーを繋いでくれたから。

『お、終わった〜！』

カバンの奥底にしまっていた携帯を取り出して時間を確認する、大丈夫、今ならちょうど試合が始まったぐらいだ。

ここから1時間弱で会場の体育館に着く、あぁもう、ダメだ。

『(ドキドキ止まんない、皆…勝ってるかな……)』

関東の強豪と合宿を何度も重ねたとはいえ、やっぱり東京都予選を勝ち抜くのは難しい。それは私も痛いほど知っている。

実際、試験中に送られてきていたメールでは音駒は決勝に残ることは出来ず、これから行われるという戸美学園高校との1戦で決まるようだ。

『(順調に行けば体育館まであと20分……ぇ、遅延してる)』

結局体育館に着いたのはそれから30分後のこと、急いで体育館の中に駆け込んで2階の入口から試合を見る、みんな、あれ……？

『芝山が出てる…？』

なんで、夜久は？

嫌な予感がして最前列に飛び出る、横には山本の妹あかねちゃんとリエーフの姉アリサさんがいて、2人に事情を聞いた。

『あかねちゃんっ！夜久は、夜久どうして出てないの？』

あぁ、聞きたくない、何となく分かってしまうから答え合わせをしたくない。

目を伏せて、悔しそうに教えてくれた。

あかね「さっきギャラリーのところまで深追いしちゃって、足踏んじゃった、みたいなの……」

『ウソ……いや、嘘じゃないんだよね…』

今は2セット目中盤。みんなを信じていない訳では無いけれど、途中に黒尾が出血して抜けたところで本気でどうして、って考えた

でも、私の心配は杞憂だったみたい。

心もとないブロックばっかだったハズのリエーフのブロックを抜けた先に芝山。音駒のピースがまた1つハマった。本当に、ナイスレシーブだと思った。

お陰で私たちも、春高に駒を進めることができた