繋げ！③【ハイキュー】 (ページ38)

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『ごちそうさまでした』

黒尾「ちゃんと水分取れよ」

『分かってるし』

ティッシュで鼻をかみ黒尾の気遣いにも無愛想な返事をする。可愛くないのは分かってるけど、もう疲れた。

『のみもの買ってくる』

夜久「あ、待って狼谷、俺も行く」

『はぁい』

小さな鞄を持って夜久と一緒に体育館の中を歩いていると、とある2人組に声を掛けられた

「あーー！衛輔くん！と、マネさん！」

夜久「おお、夕！」

西谷「ハッ！！おめでとうございます！！！」

『え、え…？』

西谷「さっき告白してたの見てたっスよ！」

夜久「……恥ずいな」

『だから言ったじゃん、見てるよって』

ブンブン腕を振り回しながら夕がやって来て、それから少し離れた場所に龍がいる。龍は凄い顔して私たちのことを見ている。

西谷「烏野はみんな見てましたね！！」

『ヤメテ』

夜久「次鴎台だってなー、見てっからな！」

『ていうか、龍はなんでそんな離れたところいるの。こっちおいでよ』

田中「いや、いやいや……俺らさっき試合して烏野が勝って、多少の気まずさとかはねえんすか！！！？」

西谷「ねえな！それに、衛輔くんとマネさん付き合ってんだぜ、めでたいだろ！！！」

田中「あ、ハイ…そうですね」

龍はもう返事をすることを諦めたようだ、菩薩みたいな顔して悟りを開いている。

『夜久、飲み物買うんでしょ』

夜久「そうだった。試合までに体ちゃんと休めとけよ！」

西谷「オス！！」

『龍もね』

田中「は、ハイッス！」

騒がしさがまた無くなって夜久のうしろをゆっくりついて行く。特に話すこともなくて、お互い無言のまんま目当ての自販機を探す。

『水、水……ない、売り切れてる』

夜久「お茶じゃダメなの？」

『水分取りたいからカフェインないほうがいい、麦茶も売り切れてるからスポドリしかないや……』

こういうところのスポーツドリンクは割高だけど、まあ仕方ない。ちゃんとお金は持ってきているし、ため息をつきながらボタンを押した。

『夜久は買わないの？』

夜久「ん、狼谷と一緒にいたかったから着いてきただけだし、飲み物残ってるからいいや」

『夜久…よくもまあそんなに恥ずかしいことを』

夜久「ずっと我慢してたから。いっぱい言わせて」

『ガマンしてたのは、夜久だけじゃないよ』

恥ずかしい、カッコイイ、可愛い。何だか、そんなあったかい気持ちが溢れて止まらなくなって、好きだって、愛おしいって気持ちでどんどん満たされていく。

「お？」

「おやおや、おやおやおや〜？」

『げぇ……』

でも、そんな暇はなさそうだ。