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黒尾「適当に飯食ったら、自由でいいぞ。
とりあえず試合見てから帰るから、疲れてたら控え室で寝ても良し。ただし体育館からは出るなよ〜」
荷物を控え室に置いて次の梟谷、烏野の試合が開始するのを待つ。
『お弁当貰ってくるから、配るまでは皆ここいて。』
海「手伝う、1人じゃ持ちきれないだろ」
『うん、ありがと』
ひと足先に荷物をまとめ終えたのか、手ぶらの海と共にお弁当を受け取りに行く。
海「狼谷はさ、いつから夜久のこと好きだったんだ？」
『え"』
海「なんか、そういうのあんまり聞いたことないなって。」
『確かに言われてみればいつからだろう……まぁ、自覚したのは去年の球技大会のあと、ぐらい？』
海「あー、そういえば見上げられるのがいいとか言ってたね」
『覚えてたか〜……あ、夜久には秘密にしてよ』
海「うーん、どうだろう」
ニコニコ笑う海の表情から、その考えは読めない。
指定の場所で部員の人数分の弁当を受け取ってから、そのままさっき座っていた座席の辺りまで戻った。
みんな支度が終わったみたいで、もう着席してコートの中の試合をぼんやりと見ていた。
『お待たせ、ご飯先に食べちゃって』
海「はい、これ1年の分」
犬岡「アザーっす！」
『黒尾、夜久、研磨』
順番に弁当を渡して、私も席に座る。
夜久「遠くね？隣来いよ」
『ん』
夜久「ヨシ！」
何がヨシ！なのか全く分からないけれど、夜久が笑顔なのでとりあえず良しとする。
『おいし……はぁ。』
黒尾「コラため息つかない」
『咀嚼してるときってさ、要らんこと考えちゃうじゃん』
黒尾「まぁ、分からんでもない。」
『ああもう明日絶対目真っ赤になる、サイアク』
ボロボロと、さっきほどではないけれどまた涙が溢れてくる。どこまで行っても負けたって事実が悔しい。
夜久「ホントに狼谷は泣き虫だよな〜、ハンカチ使う？」
『つかう』
夜久「ほい」
『ありがと』
孤爪「狼谷サンに泣き虫って言えるの、夜久くんぐらいだよね」
黒尾「ネ」
真横でそんなこという2人に、色々なことを思い出していた。確かに、最近泣いた理由って夜久の怪我の心配とか、もうどうしていいか分からなくなったときとか、さっきとか。
全部夜久の前で、夜久が絡んでいて、あれ、自分ってこんなに好きだったのかとか、夜久になら弱いところをたくさん見せられたんだなって今になって恥ずかしくなってくる
夜久「何言ってんだ狼谷は泣き虫だろ」
『ハァ…夜久の前ではね』
夜久「何それ、めっちゃ嬉しいやつじゃん」
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作者名：HAL | 作成日時：2024年3月16日 2時
