繋げ！③【ハイキュー】 (ページ35)

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『(……終わった、んだ。そっか…負けた)』

孤爪「おれ達が負けたところで勝ったところで誰も死なないし誰も生き返らないし、悪は栄えないし世界は滅びない」

歓声に包まれる体育館だけれど、なんかやりきったって気持ちも無くて、終わりって感じもしなくて。

いつもみたいにもう1回って言えば、また笑ってやろう！と、そう言ってくれるんじゃないかと思って

孤爪「壮大な世界を駆け巡るでもなく、ただ9×18mの四角の中でボールを落とさないことに必死になるだけ」

負けたんだ、私たちは

「はぁ〜〜〜面白かった！」

もう1回は、無いんだ

「熾烈を極めるラリーの末、最終セットを制したのは烏野高校！！」

孤爪「クロ、おれにバレーボール教えてくれてありがとう」

黒尾「……あ、うん」

研磨の言葉に、キョトンとした顔をする黒尾。理解が追いついていないようで、ようやく言葉の意味が分かったのか今度はキレる。

黒尾「…は？？待て、待て待て待てちょっと待てバカヤロウ！」

孤爪「え、何キレてんの……」

「整列！！」

両校の選手が並んで挨拶をする、これで本当に終わってしまうんだ。

「「「「ありがとうございました！！！」」」」

笑え。みんなに頑張ったね、って言うんだ。凄くカッコよかったよ、どうもありがとうって言え

潔子ちゃんと握手を交わして監督からの話を聞いた

猫又「具体的な反省は帰ってからするとして、ナイスゲーム、ありがとう。」

「「『ありがとうございましたっ！！』」」

猫又「マネージャーからは何かあるかい？」

私は首を横に振った、監督の今の言葉が全てだと思ったから。

撤収、そんな黒尾の声に私はベンチの近くに広がっている荷物をまとめた。

正しくは、まとめようとした。

黒尾「狼谷？撤収するぞー？」

『わ、かってる』

黒尾に後ろから声を掛けられて、私を待っているんだってことがわかる。荷物に手を伸ばす手が震える、上手く掴めない。

視界がぼやけて、前が見えない

黒尾「狼谷…？…え？ちょ、夜久？」

『んな、』

夜久「狼谷また泣いてんのか、泣き虫だなぁオマエは！」

『っ、るさい…！』

夜久は動けない私の正面までしゃがんで視線を合わせてくれたかと思えば、ちょっと汗臭いかも、なんて言って持ってたタオルで私の涙を拭いた。

夜久「俺らのこと、いつも見守ってくれてありがとう。大好き。」

そして、周りの目も気にしないで優しく抱き締めた。

夜久「立てる？」

『ま、って…夜久、』

夜久「荷物これだけだよな、ホラ行くぞ」

ねえ、どうしようもなく、私も夜久のことが大好きみたい