繋げ！③【ハイキュー】 (ページ33)

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『もう私なんか、自信無くなってきました……』

直井「狼谷はウチのスパイカーのボールを上げられるだけレベル高いだろうし、今のに限っては西谷たちがおかしいだけだ」

まるでミラクルかと思わせるような夕のレシーブ。研磨のツーアタックに反応した翔陽と夕だったが、その反応の速さが仇になって崩れた。

崩れたはずだったのに、夕は靴の踵でレシーブをしたかと思えば、それは音駒コートのエンドライン近くに落ちる。

そのプレーが偶然でも必然でも関係ない、ただ向こうに1点が入るだけ。やっぱ嫌だな、烏野のバレー

見る分には楽しいけど、実際にこうやって相手にすると何をしでかすかわからないし今みたいにミラクルのようなネットインがあったりするし、菅原くんでさえも攻撃に入ろうとする。

『うーーーー、あ、あっ！！！』

直井「(試合中に狼谷がここまで言葉を話さなくなるのも珍しいな……)」

『うう、あ、まって…あ、福永！！！！』

喋る暇も実況する暇も与えられないぐらいの緊迫した状況で、コートの中にいる仲間たちはまだまだ冷静に思考しそれを実行している。

ただ一つのボールを追いかけることに必死になって、観客席だろうとギャラリーだろうとお構い無しに突っ込んでいく。

福永「大丈夫、です！」

観客席に突っ込んでボールを繋いだ福永がまたコートの中に戻っていく。福永の繋いだボールから黒尾の速攻が決まった、と思った。

西谷「うぉらあああああッ！！！」

『あーもう！！！くっそ！！』

寸前で夕に阻まれ、今度は翔陽の速攻が来ると思った。ノートに書く私の手は止まり、吸い込まれるようにボールだけを見つめていた。

『ま、！』

早いスパイクが来る、そう身構えかけたときに翔陽の視線が動きアタックの瞬間にフェイントだと気が付いた

研磨も、当然それを見逃すはずが無く前に駆け出したのだ。

『うわ、うわうわ……』

殺った、私もそう思った。

フェイントだと気付かれたことに気が付いた翔陽は、なんとまた攻撃を変えてきた。

「怒涛のラリー！最後は前に落とすと見せかけてのロングプッシュ！！！
クレバーな1本で決めた、日向翔陽！！！」

翔陽の攻撃に驚いたのもつかの間、研磨が倒れ込んだ。

黒尾「お、おいっ、研磨大丈夫か！？どっかやったか！？！」

流石に研磨の運動許容量を超えているはずで、怪我も怖い。私も救急箱とタオルを片手に立ち上がった

けれど、ひとまず怪我の心配は無さそうだ。