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どんどん制度の上がっていく両校のプレーに、見ているこっちまで息が切れそうになる。
「ナイスレシーブ！！！」
「ナイスキー！！」
控えの選手も応援団も火がついたように声を出しまくっている。明日声ガラガラかも。
まだ10点にも乗ってないのに、この白熱具合はまるで5セットマッチの終わりの方みたい……
ﾋﾟﾋﾟｰｰｰ !!
影山くんのサービスエースが決まってしまって、音駒もたまらず1回目のタイムアウトを取った。
黒尾「何なんだよ烏野！ちょっとくらい攻撃サボれよ！！」
夜久「相手誰だと思ってんだよ烏野だぞ」
『落ち着け』
孤爪「……でもちゃんと疲れてきてるよ、無限の体力なんてない。まあそれはおれ達も同じだけど」
山本「研磨…！」
孤爪「やめて、その単語だけは言わないで……」
山本「根性見してこうぜえ！！」
孤爪「アッチ行け！」
タイムアウトがあけると、また嫌な嫌な影山くんの強烈なサーブ。なんとか福永、夜久、研磨の順に繋いでいい所に返球する。
『監督、もしかして……』
猫又「うん、そうかもねぇ」
翔陽のタッチネットと力んだアウトがあって、私は手元にあるデータを書き込んだノートを見た。きっと、この考えは間違ってないはず。
『なるほど、ここで…効いてくるのか』
翔陽と影山くんの変人速攻が乱れたところに、ブロック3枚。
ここぞという場面であの速攻をドシャット出来たことは、絶対にこちらの有利に働く。リエーフの武器である高さが最大限に活かされて、翔陽の壁になる。
たまらず烏野はタイムアウトを取った。
灰羽「今、日向にコミットってなんで分かったんですか、研磨さん怖いです！」
そしてリエーフはベンチに戻ってくるなりそんなことを言う
孤爪「……今日、翔陽の打数が少ないのは分かるよね？」
灰羽「えっ？あ、はい。サーブで日向を上手く狙えたときですよね」
孤爪「それだけじゃないでしょ」
灰羽「？？？」
リエーフがイマイチ分かっていないところで、ついに研磨は諦めた。疲れたから喋りたくない、とか言う子だもんね。
『サーブで翔陽を狙ったときにフォローに入ったのはリベロの夕、それで、夕にあの位置でサーブレシーブさせることでこのセットの最初みたいなブロードを封じたよね』
灰羽「…なるほど、確かに日向が十分な助走とれないなって思う場面は何回かありましたね。」
孤爪「ちょっとでいいんだ。何回も言うけど、烏野のいつもなら決めてた数本を削って、その小さなストレスの積み重ねが1本のミスに繋がるかもしれない」
「それが2本、3本になればいい」
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作者名：HAL | 作成日時：2024年3月16日 2時
