繋げ！③【ハイキュー】 (ページ29)

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『夜久！！』

第1セットを私たち音駒が先取し、コートが入れ替わる。

夜久「んー、何？」

『腕見して、さっきの旭くんのスパイクとったときの、大丈夫だった……！？』

旭くんのスパイクを拾ったとき、すごい音した。流石の夜久でも身体が耐えきれないことだってある訳だし

夜久「全然大丈夫、そりゃ取ったときはすげえ衝撃だったけど……そんな顔しなくても無理はしねえよ」

『うーん、ならいいけど……』

*

孤爪「強いサーブでガンガン点が獲れるならそれが良いに決まってるけど、うちはまだそうじゃない。サーブで獲れる人は獲ってね」

いつもより積極的に話す研磨に、コーチや監督も嬉しそう。まあその内容はやはり簡単なものではないのだけれど

孤爪「翔陽がいつも10点決めてるところから2・3点でも削れればいいんだ」

第2セットはウチにしては珍しくローテーションを回してのスタート、ここのセットを取ったら私たちの勝ちだ。

それは同時に、このセットを落としたら烏野が敗退することを意味する。

けど、そんなの今は関係ない

『(頼もしいね)』

このセットもサーブで翔陽を狙う、翔陽がネット際でサーブレシーブをすることによって速攻への道を塞ぐ。

ただでさえどこから攻撃を仕掛けてくるか分からない烏野に対して、攻撃の手札がひとつ減るというのはかなり大きなことなのだ。

『うっわ……』

速攻に入る助走を潰したという思考が私たちの頭の中から消えかけたその瞬間、翔陽はコートの横幅をめいっぱい使うように走り出した。

レシーブを上げた流れのまま逆サイドに走り込みブロードを決めたのだ。

必ずしも翔陽に上げる場面ではなかったこと、翔陽の速攻は無いと思い込んだこと、影山くんのプライド、色々な思考が駆け巡ったせいでほぼ反応出来ないまま先制点を取られてしまう。

けど、流れ自体は全然悪くないよね

烏野守備陣は明らかな速攻潰しに対応するために前の方に守りを固めてきた、で、それを見越してサーブのリエーフは奥の方を狙ったんだと思う。

リエーフは初心者ではあったものの、今では部活に初めて来た時と比べると見違えるほどに成長した。今回自分で考えたのは失敗してしまったけど、その積み重ねがきっと糧になる

猫又「1番無意味なのはただやること。【考えて】【やってみて】【失敗する】はアリだよ。」

『リエーフ、今のはいい感じだったよ』

灰羽「……オッス！！」