繋げ！③【ハイキュー】 (ページ28)

今日:18 hit、昨日:24 hit、合計:58,733 hit

128 ページ28

ローテーションの回ったタイミングでやってきたのはピンチサーバー。いや、もう出してくるんですか？というのが率直な感想。

『ここで、山口くんかぁ……』

ノっている時の彼はインハイ準優勝校を退けるほど、正直怖い。

「山口ナイッサー！！」

ゆらり、ジャンプフローターサーブがこちらに流れて飛んでくる。ボールを目で追いながら、後衛にいる3人の方へ視線をやった

『あら』

山本「ｷﾞｬ」

1本目は向こうのサービスエース、あぁ、アイツらを乗せてはいけない。ここで切って

「「山口、もう1本ナイッサー！！」」

ねえ夜久、アンタもきっと同じこと思ってるよね。

『(音駒にもう一本はないよ)』

その思惑通りに、山口くんのサーブは海が体勢を崩しながら上げた。が、月島くんのブロックによってまたも得点までの道を阻まれる。

うまい、月島くんってやっぱり凄くブロックが上手だ。

夜久「おめーのせいだぞ！！！」

黒尾「痛ッ！！何言ってんだ！ツッキーの実力でしょーが！！」

まあ、細かいことはよく分からん。でも、そろそろ黒尾のこと蹴るのは良くないとおもう。

山口くんのサーブ、3投目。これ以上の流れはやらないとでも言うように夜久がウキウキでサーブレシーブを成功させ、海が流れを切った。

次の音駒のサーブ、強烈な一撃からも影山くんは相変わらず綺麗なトスを上げるもんだ。

『………(凄いなぁ)』

体はライトへ流れながら逆サイドへの完璧なトス、私も練習に練習を重ねれば、ああいうトスを上げられることが出来るんだろうか。

いつか、できたらいいな。

猫又「おぉ！」

『研磨が！』

感傷に浸る間もなく、スイスイ進んだ試合の中であまり見せてくれない研磨の素早さを見ることが出来た。

これには私たちも烏野の奴らも、研磨を知っている人達は驚いていると思う。

流れがこちらに傾いて、第1セットのセットポイントまでやってきた。ここは先取してもうこのまま2-0でかっさらいたい。

「粘る音駒！ここは返球で精一杯！！！」

何度も何度も、一貫して多人数攻撃を繰り出す烏野からしたら、恐らく今は攻撃に気持ちが向きすぎているんじゃないかい？

黒尾「研磨、ラスト！」

ネットにかかったところを上手くあげて、研磨が烏野コートに返球する。

『(サイコーに良いトコ)』

攻撃に気持ちが向いている、攻撃をするために助走の距離を確保する。そして、自分では無い誰かが1回目のレシーブをしてくれる

そんな意識が垣間見えたとき、研磨はその隙を突くのが誰よりも上手だった