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『じゃあ仁花ちゃん、行っといで。』
谷地「ハイ！！！」
見てるこっちまで背筋が凍るほどの影山くんのトスとか龍のキレキレインナースパイクとか影山くんのサービスエースとか、月島くんと翔陽のチームプレーとか、まあそれは色々あった。
稲荷崎も烏野もノリノリで、特に宮ツインズはその中でも頭ひとつ抜けていた。けれど、翔陽、影山くんだけがそれに着いていっていたんだろうなって。
『あ、待って仁花ちゃん！』
谷地「えっ？何ですか？」
『これ月島くんにあげて。試合中フラフラだったから、ちゃんと糖分取ってねって』
ジャージを着るときには毎回ポケットに入れているラムネを仁花ちゃんに託して、私は音駒のみんなの元に戻った。
黒尾「やっと帰ってきたな」
『うん、仁花ちゃんの所行ってた』
黒尾「まぁ、上から見えてたよ」
『決まっちゃったね〜、ゴミ捨て場の決戦』
夜久「おいおい、弱気かー？」
『そういう訳じゃないけど…今晩のミーティングは気合い入れないとなって』
私の言葉にニヤリと笑うチームメイトたち、待ち望んでやまない日がとうとう明日やってくる。
『翔陽、レシーブ上手くなってて驚いた』
灰羽「お、俺だって負けないですよAさん！！！」
『少なくとも今のリエーフよりはずっと上手でしょうよ』
ヒドイです！！またもそんなことを言う。リエーフ、あんな試合したあとなのに元気だね。
黒尾「コラ、撤収だって言ってんだろ」
『はぁい』
夜久「荷物持つか？」
『いや、いいよ』
何で夜久が虎みたいなこと言うんだ！って頭の中で突っ込みながら体育館から宿までの道を歩いた。
『ミーティング何時から？』
黒尾「あー、風呂入って飯食ってからだから…21時頃で良いだろ？」
『うん、じゃあ先お風呂済ませてきちゃうね』
宿の広間で分かれる直前にそんな会話を交わして、私はまた自分の部屋に戻る。みんなは大部屋で同じ部屋だからいいよね、私はひとりぼっちで寂しいんです
寂しい気持ちを隠して、部屋に荷物を置いた。
机の上に今日の烏野戦のビデオを投げて風呂に向かう、いつが最後になるのだろうかと気が付いてから、宿の風呂にはゆっくり入るのが私の中の自分ルールになっていた。
『ん、うぅ……きんもち〜ぃ』
肩まで湯につかり今日の疲労を癒す、目を瞑って1分ほど何も考えずにぼうっとしていた。
『明日は烏野と、試合か………』
ピチャン、私の声と水音だけが大浴場に響いた。
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作者名：HAL | 作成日時：2024年3月16日 2時
