繋げ！③【ハイキュー】 (ページ21)

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『隣良い？』

「あっ、はい…ぇ、Aさんっ！！」

『姿見えたから』

「あの、音駒の方々の試合は…？」

『終わったよ。うん、ちゃんと勝った』

あんまり圧をかけないように心がけて言葉を選んだ。

前に比べたら最近の仁花ちゃんは強くなったような気がするけど、それでもまだバレーボールは高校からの初心者で尚且つ1年生。

『1人だと、心細くて怖いよね。しかも相手は稲荷崎』

谷地「……はい。でも、来年からは清水先輩もいないですし、やっぱり心細いのには慣れておかないと」

『心細いのに…慣れる……
確かに試合中はそうかもだけど、コートの外でまでそうやって1人で寂しく、仁花ちゃんの言葉でいうと心細い気持ちになる必要はなくない？
私は、避けられるんならいくらでも避けていいと思うけどな』

谷地「……へ、」

私の言葉に、仁花ちゃんは意外そうな顔をした。

そしてそのあと、柔らかく微笑んだ

谷地「1人だと凄く心細くて、寂しくて…でも先輩が来てくれたから大丈夫です！！」

ああこの笑顔、守りたい

『けどあれだね、しんどいね。』

谷地「や、っぱり…そうですよね」

『でもさ、多分白鳥沢のときもだったろうけど誰も勝つと思ってはいなかったんじゃない？』

谷地「う、う"っ……！」

『ね？今回の稲荷崎も。まずは自分たちが勝てるって信じないと』

まあでも、そんな悠長なことも言ってられない。

相手校の宮侑はリベロである夕から連続でサービスエースを取っている。その姿をいつかの私に重ねてみたりして。

『菅原くんも、嫌なとこ打つね』

谷地「ハイ」

『あぁ、すご。よく拾うわぁ……』

谷地「ハイ！！」

烏野の人たちを褒めれば褒めるほど、仁花ちゃんは嬉しそうに笑う。

稲荷崎と烏野の試合を見ながら、所々は仁花ちゃんに解説しながら観戦していた。

谷地「あっ、タイムアウト！」

『うん、影山くんの調子が著しく良いからね。物理的に流れを切っていくんだろうね』

終わるところを知らずに続くラリー、音駒顔負けの守備力を見せる両校に息を呑む。

『あ、仁花ちゃん危ない！！』

谷地「ヒィィイイ！？！」

宮、治か……？ツインズの片方のサーブが私たちの横にある得点板にまで飛んできた。

『うーんでも、さっきのアウトから今のホームラン…こういう小さなミスの積み重ねが流れを変えていく。』

ﾋﾟｰｰｰｰ !!!

谷地「交代、ですか…？」

『どうやら向こうの主将のお出ましみたいだね』

さて、ここからどんな試合展開になっていくんだろうね