繋げ！③【ハイキュー】 (ページ20)

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夜久「研磨にしては今日は踏ん張ったなー！」

黒尾「まさか自分がもっと追い込まれる作戦出してくるとはな」

孤爪「3セット目に行かないための2セット目の無茶だよ、あの調子で3セット目とかは無理……早流川に完全に潰されるよ」

『2セット目も30点台乗ったし、へとへとだよね』

私の言葉に、喋る力も使いたくないというみたいに研磨はコクリと頷いた。

灰羽「研磨さん！あの、さっきのコケたのってまさか演技っすか！？」

孤爪「そんな器用なこと出来るわけないじゃん」

灰羽「で…ですよね〜！」

まあ、わざとだとしてもそうでなくても、あの躓きは相手を油断させる大きな一因になったと思う。

山本「根性みせたな！研磨よ！」

孤爪「違うよ…俺は"根性"が使えるレベルじゃない……」

あぁまた始まった

孤爪「なんて言うか…なんだろ、義務感っていうか…みんな頑張ってレシーブ上げてるから俺もちゃんとしないと……みたいな」

山本「だからそれが根性だって…」

孤爪「ていうか頑張ることに明確な名前付けないとダメなの？俺が頑張ったら変？？！」

山本「なにキレてんだよ」

海「試合中は空に向かって怒ってたな〜」

『うん、怒ってた』

試合のことを思い出して暴走する研磨を見つめる。疲れてくると人格変わりすぎだろ、だなんて言われている。

黒尾「糖分が不足してるんだな〜バナナ食べなさいバナナ」

孤爪「仲間のために頑張るはおかしいこと？俺がやったらおかしいの？？」

そうして研磨はバナナを片手にキレながら、らしくないことばかり言う。その言葉が嬉しいのか虎と福永は抱き締めに行こうとしている。

まあ当然嫌がられている訳だけど。

夜久「山本大げさか」

黒尾「いやいや、あの研磨が他人を【仲間】と呼ぶなんて凄えことだよ！？」

『そうなんだ』

黒尾(?)「これで研磨がゲームやってる時の半分ぐらいでいいからアグレッシブになってくれたらなぁ〜」

黒尾「勝手なアテレコ止めてください」

『ふふ』

研磨への気持ちを代弁した黒尾、ではなく夜久。まぁ、そういう風に思ったりするのも分かる。

孤爪「……やっぱり根性は嫌い……俺には難解すぎる」

2人から逃げてきた研磨が並んで、そこから海がまた並ぶ。私たちはここまで来たよ。

海「烏野の相手は宮ツインズか」

夜久「おおっ！？でも1セット先取してんじゃん！」

『でも、このセットは厳しそうなんじゃない』

まだ全然終わりそうもない烏野の試合、その結末を見守ることにした。

『私、下で見るね』

みんなと少し分かれて、私はあの子の隣で見ようと思い立ち荷物を纏めた。