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『やっぱり、相手は研磨潰しですか…』
猫又「うん……」
猫又監督の教え子だという、向こうの監督。ということはやり口はもう既に分かっていて、それに対抗する策も立てられる。
けど、やっぱりフィジカル面は試合中にどうにかなるわけでもなく。
『はい、ドリンク。味濃いめで良かったでしょ』
孤爪「うん、狼谷さんありがと」
『大分息上がって……ちゃんと座って少しでも休憩してね』
自分からその作戦を提案しておいて、彼にしては珍しく汗水垂らして走り回っていた。そんな姿はレアだから特に言及しないでおこう。
孤爪「はぁ、…パッと秘策みたいなの思いついて全然疲れずに勝てたりしないかな。」
山本「研磨のくせにバカそうなこと言ったな」
でも、研磨がそんなになるほど早流川の作るペースはしんどくて大変で、粘りに粘らなくてはならない彼にとって辛いものなんだということは外から見てるだけでも十分に分かった。
猫又「相手の根気と忍耐の策を破るには、こちらの同じだけの粘りが要るだろなぁ」
黒尾「慣れてみせますよ」
どことなく楽しそうな猫又監督、頼もしいことを言う黒尾。
黒尾「レシーバーの皆さんが！」
まて、頼もしくは無かった！！！
夜久「おおよ！過保護上等！
セッターを動かさねえのが音駒品質だ！」
頼もしいのはやっぱり夜久だったみたい。
『ふふ』
孤爪「えぇ、なんで狼谷さんが笑ってんの……」
『いつも通りで安心したから。』
孤爪「……そっか、うん。そうだね…でも、ただのガマン比べはつまんないな」
そして研磨の口から作戦の概要が語られる。
灰羽「ええっ、それってわざとレシーブ乱すってことですか！？」
芝山「たまに使う手ではありますが…」
その内容に1年生たちは大混乱。
孤爪「毎回じゃないよ、有効なタイミングの時にね」
夜久「それは…指示通りの位置に上げろと言われたらやるけど、お前既にバテバテなのに大丈夫かよ？」
孤爪「俺だってちょっとくらいなら動けるから。
そりゃあ、毎回エンドラインまで走って上げろと言われたら嫌だけど……」
「それにみんなの方が大変だよ。早流川の攻撃に慣れた上でオレの欲しいとこにボールよこしてって言ってんだから。
でもできるよ、みんなは根性の使い手だから。」
夜久「で、他に要求は？」
孤爪「……高くあげて欲しいかな」
「「「「「了解！！」」」」」
2セット目終盤、ようやくその乱れが実は作戦だってことを相手も勘づくころだと思う。
『海ナイスキー！』
私たちは、その疑心暗鬼が欲しかったんだよ
「素晴らしい選手たちだな〜。
でもやっぱり、ホワイトボードの上のようにはいかんのよ」
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作者名：HAL | 作成日時：2024年3月16日 2時
