繋げ！③【ハイキュー】 (ページ17)

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前の試合も終盤に差し掛かった頃、アップをしていた体育館から移動した。私達も体育館の隅に荷物を並べて待機していたときにふと、私の口から本音がこぼれた。

『2回戦かぁ……なんか緊張してきた…』

灰羽「大丈夫ですよAさん！音駒には俺アリっすから！！！」

『あ、うん』

夜久「お前のその自信はどっから出てくるんだよ…」

山本「エースは俺だからなリエーフ！！！」

『で、それに毎回耳ざとく気がつく虎』

なんでもない、いつもの通りの会話だった。それが緊張を解して、私をリラックスさせてくれることをコイツらはきっと知らない。

*

私たちの2回戦の相手は石川県代表の早流川高校。

早流川の監督は猫又監督の教え子だという。そう、チームの特色が丸かぶりしている。

『研磨にはツラい試合になるかもね』

孤爪「ウン……でも大丈夫だよ、皆は強いから。」

『だね、疲れるだろうし今日はドリンク味濃いめに作ってあるから』

孤爪「狼谷サン、そろそろ怖い…」

『そりゃあどーも』

黒尾「それ褒めてんのか…？」

『まー、研磨のことよく分かってるね〜ってことだろうし。
マネージャー冥利に尽きるってやつ、かな』

海「確かにな」

でも大学からはプレイヤーでしょ？って言ってきたのは聞こえないふりです。細かいことはいいの。

夜久「お、前の試合終わったな。じゃ行くぞ！」

「「「おう！！！」」」

みんなより1歩先を歩くその背中は、キャプテンみたいだと思ったり、思わなかったり。

夜久の頼もしさが大きすぎるおかげで、たまにウチのチームにはキャプテンが2人いるんじゃないかって錯覚しちゃう。

『いつも通りに行けば大丈夫！』

まぁ、全国の舞台ではそのいつも通りが難しいんだけどさ

『コラ！アップの時はもっと高く！』

灰羽「は、はい！！！」

夜久「リエーフ腕は！！」

灰羽「こうです！！！……よね？」

夜久「合格！」

黒尾「マジでいつも通りにも程があんだろ」

孤爪「でも、このぐらいのほうが頼もしいよね」

ここ勝ったら、明日も試合。明日もみんなのプレーを見られる。あぁ、見たいな。

お願い、私にもっとみんなのバレーボールを見せて。

まだ、ここでは終わりたくない、私をもっとみんなのマネージャーでいさせて。

ﾋﾟｰ !!!!

私のそんな気持ちは、試合開始の合図の笛の音にかき消された。

春高2回戦、対早流川高校との試合が開始した。