繋げ！③【ハイキュー】 (ページ16)

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『……』

吹奏楽の音色が響いて、順に学校名が呼ばれる。

「宮城県代表、男子烏野高校・女子新山女子高校」

知ってる高校もいくつかあって、烏野が来てくれたことは嬉しいけどやっぱり若利のバレーを見たかった、そんなふうに考えたりもして。

「東京都第1代表、井闥山学園高校・第2代表、梟谷学園高校・開催地代表、音駒高校……」

『みんな出てきた』

監督とコーチは少し離れた所で見ている。丁度よく会えたかおりに雪絵と一緒に、私たちの学校を見守る。

雀田「烏野上がってきたね」

『うん』

白福「気合入っちゃってるんじゃないの〜？」

『そりゃまあ、そうでしょうよ。
2回戦までお互い勝ち抜いたら当たるんだから』

雀田「けど向こうは2回戦稲荷崎、ウチもインハイで当たったけどすんごい手強かったよ〜！」

そうやって、今回の春高に出てきた猛者たちの話をしながらなんとなく時間を過ごしていた。本戦までもうそんなに時間もないのに実感が湧かなくて、ドキドキするのも通り越して冷静だった。

『全国の舞台、なんか久しぶりだ』

*

『がんばれ』

私たち音駒高校の初戦は清川高校、その高校はエースがとても強力なんだとか。

まあ確かに、何かが強くないと全国までは出て来れないか、と一人で頷いていたわけだ。

「ナイスレシーブ！！！」

『……』

「ナイスレシーブ！」

「ナイスレシーブ！！！！！」

『(相手のエース……辛…)』

流石の守備。落とさないようにボールを繋いで、初戦は危なげなく突破した。

全国での1戦。目指すのはより高い場所だけれど、やっぱり全国の舞台で1つ勝ちを付けられたってことはこれからの自信にも繋がっていくんだと思う。

バレーを続けても、そうでなくても、絶対に役に立つ。それだけは断言出来る。

『もう行くよ』

山本「も、持ちましょうか…？」

『んーん、大丈夫。私の買い物だから気にしないで』

試合の余韻も一旦おさまり撤収したころには日が沈み出していて、オレンジ色の空が眩しくて目を細めた。

黒尾「お上りカラスさんじゃねえの。
良かったね、はるばる来たのにすぐ帰ることになんなくて」

菅原「そんなにはるばるじゃねぇし〜」

それぞれ再会を楽しんでいる様子。

私も少しだけ潔子ちゃん、仁花ちゃん、そして夕と話をした。そんなに仲が良かっただろうか、という気持ちとわざわざ話してくれるのが嬉しいと思う気持ち。

軽口を言い合うけれど笑っていないヤツら。

明日を生き残るのがどれほど大変なのか、上級生である私達は言わずもがな分かっているのだ。