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『お、お…！おか、お母さん！！！』
狼谷母「どうしたのそんなに慌てて」
クリスマスが終わって学校は冬休みに入った。
バレー部も春高に向けて本格始動というか、最終調整に入り、それでも私には受験というものが付きまとった。
『全部受かっちゃった……』
第1志望と第2志望、その他滑り止め。一応何校か受験をさせてもらって、今日は私の受けた大学が軒並み合格発表をする日だったのだ。
狼谷母「やったね、お父さんにも報告しなきゃね！」
『うん！！』
父にも受けた大学は全部合格したことを伝えると、電話の向こうで唸り始めた。
狼谷父「いやね、若利くんと同じ所がいいと思っていたんだけど、女子の方は来年度からガラッと勢力図が変わりそうなんだよな…」
とのこと。
若利と同じ大学は、言わずもがな男子が強い。とても強い。黒鷲旗だって勝ち続けているとかなんとか。
けれど、女子はそうかと聞かれると男子ほどの絶対王者ではないのだそう。
狼谷父「もちろん、若利くんと同じところも強いんだけどね、Aと同じ学年の有望株が一気に別の所へ入るらしいんだ。」
流石、指導者はよく知っている。
狼谷父「ただ、強い子がたくさんいるチームに行くということは、それだけ出場の機会が少なくなるってことだ。
それは分かっていると思うが、俺たちはAの選んだ道ならどこでも応援するし、全力でバックアップをする。好きなところに行きなさい」
お母さんも同じような顔で頷いてくれた。
『ありがと。でも私は強くなるから、たくさん勝ちたいから少しでも強いところに行くよ』
よし、これで私もやるべきことが定まった。
春高が終わったら男子の練習にちょっと混ぜてもらったりしよう。大学に入るまでに出来るだけ体力を付けて、高校の3年間もバレーボールに費やしてきた猛者たちにも負けないようにしなくちゃ……
『……ぉ、？もしもし？』
「おー出た！ゴメン、今大丈夫そう？」
『うん、どうかした？』
「いやその、狼谷の受けた大学の発表日今日って聞いたから、その…どうだったのか気になっちゃって……」
『あー！全部受かったよ！』
「は！？全部！！！！？」
『うん、とりあえず受験したところは滑り止めも含めてオール合格でした。
でね、夜久大事なことなんだけどさ』
「ん？」
『私、大学は若利と同じところに行くって言ってたじゃない？』
「おぉ、だな」
『でも、最近ちょっと女子の勢力が変わってきたみたいで、そこやめたの！
で、もっと強くなるだろうって言われてるとこにした！』
「す、っげぇな……オメデト」
いやごめんね、そんなに驚かれるとは思わなかったんだ。
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作者名：HAL | 作成日時：2024年3月16日 2時
