繋げ！②【ハイキュー】 (ページ45)

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『うーん……』

「Aちゃんどうかした？」

東京遠征も無事に終了して夏休みが明けた。

新学期が始まってから忙しなくなって、忙しい部活の上からさらに週末に控える文化祭の準備が重なるのだ。

『クラスの出し物、本当に全然手伝えてないから申し訳なくて』

「あー…じゃあさ、もしイラストが得意だったら黒板アートとか手伝ったら？」

『黒板アート？？？』

「うん、黒板にイラスト描いて、それをフォトスポットにするんだよー！」

丁寧に写真付きで教えてくれたおかげで想像がついた。けど、あんまりイラストって得意な感じがしないんだよね

『でも何かしら手伝いたいから、うん、そっちの方聞いてみる。ありがとね』

「うんっ！！！」

放課後の彼女はとても忙しそうだ。画材や木材を持って走り回ったり、時には絵の具でカラフルになったジャージ姿で校内を歩いていた。

夜久「狼谷、部活行くぞー」

『あーうん、ちょっと先行ってて』

夜久「はぁ？何で」

『えっと、話っていうか…』

かくかくしかじか説明すると、夜久は目を丸くした。
当日しっかり客寄せするんだし、そこまで頑張る必要なくね？と言う。

『でも、本当に何も手伝ってないし……』

夜久「そもそも俺らは予めそうだって言ってるじゃん、ほら行くぞ」

『あー、でも、夜久！！』

腕を引っ張られてそのまま部活に連行された。どうやら私は申し訳ない気持ちを抱えた文化祭当日を迎える必要があるそう。

灰羽「あ！先輩方発見！」

『リエーフ、どうしたの』

灰羽「明後日の文化祭、渡したいものがあるので、朝イチで俺らのクラス来てください！」

夜久「渡したいモンって何だ？」

灰羽「俺らのクラスのやつです！黒尾さんにも言ったんで、みんなで来てくださいね！」

眩しい、先の合同練習では翔陽とあまり話さなかったせいで久しぶりに感じたような気がする。

夜久「おー」

『じゃあ私こっち、着替え行くから』

夜久「ん」

気だるげに返事をして更衣室への分岐点で分かれた、どうせまたすぐ会うんだけどさ。

部活も、文化祭の前だからというのはあんまり関係なくて、やっぱり今日もハードだった。

『あ！福永！！！！
あんたね、無理して怪我したら困るんだから迂闊にコート外までボール追っかけない！！』

福永「……」

ちょっと嫌そう…だけど福永は軽く頷いた。

彼は掴めない性格をしていて、口を開いたと思えばダジャレをいう。それと意外だったのがさっきも本人に注意したように、ベンチの方とか物があってもボールを拾いに突っ込んでいってしまう。

大きな怪我に繋がらなきゃいいけど。