繋げ！【ハイキュー】 (ページ9)

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『黒尾ーサボらないーー』

黒尾「あのアップ考えたの誰よ！！！」

『コーチと一緒に私が』

夜久「はぁ？半端ねえなお前！可愛いのは見た目だけかよ！！！」

『リードした試合運びができないのならスタミナ付けてくださーい』

入部してから私がマネージャーとしてバレーボール部になじんできた頃、コーチにある提案をしていた。

黒尾たちの学年の行った試合を全部見た。

その上で、彼らの力になりたくて色々考えた。その結果がアップのメニューを一新するということ。

まあそれも、黒尾たちが新体制になってから呪文を唱えだしたことを見て、今なら私も何食わぬ顔してぶっ込めるんじゃないかって思ったからだ。

『虎谷がんばる！もうちょい！』

「は、っ……はいっ！！！」

マネージャー業務の引き継ぎを完璧に終わらせたことで、代わりにマネ業をしていたプレイヤーが自分の為に全部時間を使えるようになった。

特に虎谷くんはメインでマネージャーの仕事をたくさんしていたせいで練習時間も確保出来ていなかった。その分影で努力をしていたところを見たことがあったけどやはりその差は簡単に埋まるものではなくて。

一際小柄な彼が、みんなに追いつこうと必死に頑張る姿になんだか心打たれていたのだ。

夜久「狼谷、虎谷のこと贔屓しすぎじゃねえ？」

『私がもっと早くマネ引き受けてたら虎谷はもっと自分のことに専念できたからね、面倒見てあげたいなっていうかなんというか、母性的な』

夜久「それ今言うか？」

『……ところで夜久くん。』

夜久「ん？」

『あんまり疲れてないように見えますね』

まだ余裕がありそうな夜久、そのことを指摘するとギクッと肩を揺らしてどこかへ消え去った。私ってもしかしてスパルタなのだろうか？

『……来週は練習試合、相手は戸美学園か。』

それが終わった3日後からはもう合宿、春高前に2回行う合宿のうちの初回だ。

梟谷学園グループが毎年のように開催しているその合宿は、東京近郊の強豪校が集まって互いに高めあえる貴重な機会。

梟谷ってことはもちろん木兎くんもいるわけだし、たっぷり技を盗ませて頂こう。

『ふふ、たのしい』

研磨「………オレはサイアクだよ」

『研磨くんもメニュー終わったね、おつかれさま。ドリンク作ってあるから……持ってくるね』

研磨「うん、お願いします」

汗ダラダラの状態で、もう限界！とでもいうように大の字になって寝っ転がった。

『あ、虎。ごめんなんだけど、まだ余力あったらバテてる人達にドリンク回してもらえる？』

山本「まっ、任せてください！！！」

と、色んなタイプの人がいて、最近はいつもより楽しいのだ。