繋げ！【ハイキュー】 (ページ7)

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黒尾「な、A……それ、えッ！？」

『変、かな』

黒尾「似合う、と思うけど……」

少し時が戻って日曜日、音駒高校男子バレー部が大会に臨んでいるのと同じような時間。私は美容室に行っていた。

決意を固めてお母さん、お父さん、そして宮城に住んでいる従兄弟にバレーボール部のマネージャーになることを伝えた。

その3人は特に、10年ぐらい続けていたバレーを辞めて塞ぎ込んでいた時期を知っているからこそ、凄く喜んでくれたし応援してくれた。

けれど、その影で心配されているのも感じていた。

『バレーをするために音駒に入った訳じゃない。けど、私のことを必要だって言ってくれた子がいるの。
もう一度私をバレーボールと繋いでくれた子がいるから、私はその人に応えたい。』

今の純粋な気持ちを言葉にしたら、心も軽くなったし周りの人も最終的には頑張れ、って言ってくれた。

昔は頑張れって言葉嫌いだったけど、今はそんなに悪くないかも。

で、心機一転というか。

どうにか新しいこと、って気持ちで目に見える形でやりたくて腰あたりまであった髪の毛をバッサリと切った。

ショートほど短くはないけど、肩につかないボブ。

あ、ショートボブっていうんだっけ。

『そういえば黒尾、ロングが好みだっけ。残念だったね。』

黒尾「いやまあ、そうだけど、いや……え、」

『ははっ、そんな言葉無くなることある？』

黒尾「ある、てか……今そうだし………」

『似合うでしょ。これね、結構懐かしい長さ』

黒尾「か、」

『か？』

黒尾「海ーーーーーっ！！夜久ーーーーーーっ！！！！」

『うっっっさ！！！何！？』

廊下側だけど、黒尾がいきなり2人の名前を叫び出した。確かに2人ともクラス隣だけど、そんな呼び方する？普通。

ただ、黒尾が2人の名前を呼ぶと、2人は煩いと言いながらもクラスの方へやって来た。

夜久「な、ッ！！！」

海「夜久、好きそう」

夜久「ごめん、正直めちゃくちゃタイプ」

黒尾「じゃねえよ！！！！」

『え、そんなに騒ぐことかな』

夜久「なんで切ったんだよ、俺的にはありがたいけど」

『心機一転、的な。』

海「ってことはもしかして、」

黒尾「え、もしかするの？」

『朝イチで猫又監督のところに行ってきました、マネージャーとしてお願いします』

夜久「……マジ？」

『う、うん』

海「嫌々とかじゃないよね？」

『やらせて下さい、むしろ』

黒尾「………ドッキリとかじゃないよな？」

『待って、私そんなに信用ないの？』

今日はこれから長い長い付き合いになる私たちの、記念すべき一日目。