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研磨「狼谷さん、来たんだ」
『うん。私、多分まだバレー好きだし』
研磨「いいんじゃない?」
俺は汗かくの嫌いだし頑張るのもあんまり得意じゃないけど、きっと楽しいと思うよ。
彼のことはまだよく知らないけれど、研磨くんの口からそんな言葉が出てくるのが意外だった。
『何からすればいいですか?
その、マネージャー業分かんなくて』
主将「1年!狼谷さんに仕事内容の説明してやって!」
「「「はい!!!」」」
運動部特有の、先輩の話に反射でする大声の返事が中々慣れなくて、またビクリと肩を揺らしてしまった。不覚。
『ユニフォームの洗濯とか、ボトル洗浄・ドリンク作りぐらいならやったことあるんだけど……あ、それとスコア記入も!』
「それ出来るなら仕事は完璧です」
『そうかな、でも音駒には音駒のやり方あるだろうし、教えて貰えたら嬉しいな』
「はい!」
ベンチ外でマネージャーの業務にあたっていた1年生はキラキラしていた。私よりも小柄で、恐らくポジションはリベロ。
もし本入部したら、この子達が後輩になるのか。凄く悪くない。ていうか良い。
「狼谷センパイ、マネージャーやってくれますか?」
『まだ迷ってるよ』
「狼谷センパイってバレーやってたんですよねぼポジションどこだったんですか?」
『中学まではリベロで、中学のときにはセッターやってたよ』
「なるほど……通りで綺麗な手なんですね!!!」
もう眩しい。
『どうもありがとう』
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夜久「黒尾、アレ」
黒尾「意外と楽しそうじゃね?」
夜久「な。どうして渋ってんだろ」
黒尾「狼谷な、怪我でバレー辞めたって言ってた
何か色々、本人にしかわかんないモンがあるんだろ。」
夜久「怪我なぁ、たしかに。そうかもな。」
海「もし狼谷がこれで嫌だって言ったら、今度はしつこく誘っちゃダメだからね。」
黒尾「約束しちゃったもんな」
夜久「まあ狼谷のことだし、もう一押しすれば入ってくれそうだろ」
黒尾「あ、やっくんいけないんだ。」
夜久「何でだよ!!!」
黒尾、夜久、海の3人がそんなことを話していたことをまるで知らない私は、1年生の子と一緒に色々マネ業をしていた。
結構楽しかった。
そしてその週の日曜日(体験に行った2日後)、インターハイ予選で2回戦で音駒高校は敗退し、先輩たち、3年生が引退した。
『先輩たち、春高まで残らないのも驚いたけど、そんな大事な時期に見学行ってしまって申し訳なさが勝つ。』
そして、週明け月曜日、私は猫又監督の元へ行った。
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ゆめの(プロフ) - 投稿頻度凄い高くてうれしいです!頑張ってください〜⸜(*´꒳`*)⸝ (2月27日 1時) (レス) @page28 id: 98dd5cf759 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:HAL | 作成日時:2024年2月23日 4時